ISIS/Draw

ISIS/Draw: 分子モデリングソフトウェア



概要
ISIS/Drawは、MDL Information Systemsが手がけたWindows対応の分子モデリングプログラムであり、主に大学や個人の利用者に向けて無料で提供されています。利用者は、MDLに登録することによって、簡単にこのソフトを使用することができます。ISIS/Drawは、他のISIS製品と組み合わせて利用することができ、特にISIS/Base(ISIS/Hostクライアント)のフロントエンドとしての機能も持っています。これにより、ACD(Available Chemical Database)やCIRX(ChemInform Reaction Database)といった化学データベースにアクセスできる利点があります。

このソフトウェアは、1990年に初めて発表され、最新のバージョンは2.5ですが、現在はその後継ソフトであるSymyx Drawが開発され続けています。データおよび構造の表現に関して、ISIS/Drawは拡張子が「.skc」である独自のファイルフォーマットを持つだけでなく、一般的な化学ファイルフォーマットであるMDL molfile、Rxnファイル、TGファイルにも対応しており、柔軟な使用が可能です。

機能
このプログラムは、化学反応を検索するために必要な原子マッピングに加え、部分構造検索に用いるワイルドカード原子や芳香族結合、環状結合といった特別な原子やさまざまな結合様式のサポートも提供しています。主な機能は2D描写に特化していますが、多少の3D回転機能も付いています。2Dで描かれた化合物を3Dで視覚化するためには、Rasmolという別のソフトウェアを併用することで、よりリアルな3Dレンダリングが可能となります。

さらに、ISIS/Drawは化合物の構造や反応式についてのバリデーションを行う機能も持ち、分子量や分子式などの元素プロパティの計算もサポートしています。これにより、科学者は分子の特性を詳細に分析し、研究に役立てることができます。

参考文献とリソース
  • - Li, Z.; Wan, H.; Shi, Y.; Ouyang, P. (2004). “Personal Experience with Four Kinds of Chemical Structure Drawing Software: Review on ChemDraw, ChemWindow, ISIS/Draw, and ChemSketch”. J. Chem. Inf. Comput. Sci. 44 (5): 1886–1890. doi:10.1021/ci049794h.
  • - Johann Gasteiger, Thomas Engel (2003). Chemoinformatics: A Textbook. Wiley-VCH. p. 143. ISBN 3527306811
  • - Dalby, A.; Nourse, J. G.; Hounshell, W. D.; Gushurst, A. K. I.; Grier, D. L. et al. Description of several chemical structure file formats used by computer programs developed at Molecular Design Limited, Journal of Chemical Information and Computer Sciences, 1992, 32, 244-255.

関連項目
  • - 構造式エディタ

外部リンク

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