ISO 15924

ISO 15924: 文字体系の名称を識別する国際規格

ISO 15924は、世界各国の様々な文字体系（スクリプト）の名称を識別するための国際標準規格です。正式名称は『Codes for the representation of names of scripts』（文字体系の名称表現のためのコード）で、文字体系を明確に識別し表現するために用いられます。

この規格では、各文字体系に4文字のアルファベットコードと3桁の数字コードの2種類のコードが割り当てられています。アルファベットコードはISO 639-2（言語コード）のBコードを基に作成されており、例えばグジャラーティー語の文字体系はGujrというコードで表現されます。数字コードは、それぞれの文字体系を一意に識別するために用いられます。

ISO 15924の利用方法

ISO 15924は、他の国際規格と連携して使用することで、言語と文字体系を正確に指定することができます。特に、BCP 47（言語タグのベストプラクティス）では、ISO 639（言語コード）の後にISO 15924のコードを付加することで、言語と文字体系の組み合わせを指定することができます。

例えば、セルビア語にはキリル文字とラテン文字の2種類の文字体系が存在しますが、ISO 15924を用いることで、`srp-Cyrl`（セルビア語・キリル文字）と`srp-Latn`（セルビア語・ラテン文字）のように区別することができます。さらに、ISO 3166（国・地域コード）を組み合わせることで、中国語の簡体字（zh-Hans-CN）と繁体字（zh-Hant-TW）のように、言語、文字体系、地域を同時に指定することも可能です。

言語タグは「言語-文字体系-地域-変種-拡張-私用領域」の順序で構成されており、文字体系を表す部分は省略可能ですが、より詳細な言語情報を指定する際に活用されます。これらの情報は、HTMLやXMLなどのマークアップ言語でウェブページを作成する際に、ブラウザが適切なフォントを選択する上で重要な役割を果たします。

文字体系コード一覧と特殊なコード

ISO 15924では、多数の文字体系にコードが割り当てられており、その一覧はISOの公式ウェブサイトなどで公開されています。さらに、特殊な用途のためのコードも定義されています。

まとめ

ISO 15924は、多様な文字体系を正確に識別し、表現するための重要な国際規格です。言語情報と組み合わせることで、世界中の様々な言語と文字体系を明確に区別し、デジタルコンテンツの国際化や相互運用性を高める上で貢献しています。この規格は、ウェブ開発、ソフトウェア開発、言語学研究など、多様な分野で活用されています。将来、さらに多くの文字体系が追加され、規格が進化していくことが期待されます。

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