ISO 216

ISO 216：紙の寸法に関する国際規格

ISO 216は、世界中で広く採用されている紙の寸法に関する国際規格です。この規格は、Aシリーズ、Bシリーズ、Cシリーズといった様々なサイズの紙を定義しており、それぞれが特定の用途や目的に合わせて設計されています。ISO 216は、ドイツのDIN 476規格を基にしており、その起源はフランス革命時代にまで遡ります。

アスペクト比と白銀比

ISO 216で定義される紙のサイズは、一貫して1:√2（約1:1.414）のアスペクト比（縦横比）を持っています。この比率は、白銀比とも呼ばれ、古くから美しい比率として知られています。このアスペクト比の重要な点は、長方形を長い辺に垂直に半分に切ると、元の長方形と相似形になることです。つまり、半分に切った後の長方形も同じアスペクト比を維持します。この性質により、紙のサイズを効率的に調整でき、デザインや印刷の際に拡大・縮小が容易になります。

各シリーズの詳細

Aシリーズ

Aシリーズは、ISO 216の中核となるシリーズで、A0から始まる様々なサイズがあります。A0は面積が1平方メートルと定義され、A1、A2、A3…と数字が大きくなるにつれて、サイズは半分になっていきます。最も一般的に使用されるのはA4サイズ（210mm x 297mm）で、文書、レポート、コピー用紙など、様々な用途に利用されています。

Aシリーズの各サイズは、以下の式で正確な縦の長さを計算できます。

⌊ 1000 / (2^((2n-1)/4)) + 0.2 ⌋

ここで、⌊x⌋は床関数を表し、小数点以下を切り捨てることを意味します。

Bシリーズ

Bシリーズは、Aシリーズのサイズの中間的な役割を果たします。Bシリーズの各サイズは、同じ番号のAシリーズのサイズと、1つ小さいAシリーズのサイズの幾何平均として定義されます。例えば、B1はA1とA0の幾何平均です。Bシリーズは、ポスターや書籍など、Aシリーズではサイズが合わない場合に利用されます。

Bシリーズの各サイズは、以下の式で正確な縦の長さを計算できます。

⌊ 1000 / (2^((n-1)/2)) + 0.2 ⌋

Cシリーズ

Cシリーズは、主に封筒のサイズとして使用されます。Cシリーズの各サイズは、同じ番号のBシリーズのサイズとAシリーズのサイズの幾何平均として定義されます。例えば、C2はB2とA2の幾何平均です。A4の用紙はC4の封筒にぴったり収まり、A5の用紙はC5の封筒にぴったり収まります。

Cシリーズの各サイズは、以下の式で正確な縦の長さを計算できます。

⌊ 1000 / (2^((4n-3)/8)) + 0.2 ⌋

許容誤差

ISO 216では、製造上のばらつきを考慮して、各サイズに許容誤差が設けられています。許容誤差は、サイズによって異なり、以下のようになっています。

150mm以下のサイズ：±1.5mm
150mmから600mmのサイズ：±2.0mm
* 600mm以上のサイズ：±3.0mm

まとめ

ISO 216は、紙の寸法に関する国際規格として、世界中で広く利用されています。Aシリーズ、Bシリーズ、Cシリーズといった様々なサイズがあり、それぞれが特定の用途や目的に合わせて設計されています。これらのサイズは、1:√2のアスペクト比を維持しており、効率的な利用と美しい比率を両立しています。ISO 216を理解することで、紙のサイズを適切に選択し、より効率的な文書作成やデザインが可能になります。

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