ISO 31-9

ISO 31-9は、国際標準化機構（ISO）が定めた国際規格であり、原子物理学および核物理学の分野における量と単位について規定していました。この規格は、ISO 31シリーズの一部として、これらの分野で使用される物理量の定義や、それに対応する単位を明確化することを目的としていました。

しかし、2009年に発行されたISO 80000-10によって、ISO 31-9は置き換えられ、廃止されることとなりました。ISO 80000-10は、量と単位に関するより包括的な規格であり、ISO 31シリーズの多くを統合する形で策定されました。この規格の改訂は、国際的な科学技術分野における単位の統一性をさらに高めることを目指したものです。

日本においては、ISO 31-9に対応する規格として、日本工業規格（JIS）のJIS Z 8202-9:2000が存在していました。このJIS規格は、ISO 31-9の内容を踏襲して策定されており、日本の原子物理学および核物理学の分野における量と単位の取り扱いを定めていました。しかし、国際規格の改訂に伴い、日本でもJIS規格の見直しが行われました。

その結果、2015年12月にISO 80000-10に対応するJIS Z 8000-10:2015が発行されました。この新しいJIS規格の発行に伴い、従来のJIS Z 8202-9:2000は廃止され、日本の規格も国際的な標準に合致する形となりました。これにより、原子物理学および核物理学の分野における単位の取り扱いにおいて、国際的な整合性が保たれることとなりました。

このように、ISO 31-9とその対応するJIS規格は、国際的な規格の改訂によって、より包括的な規格に置き換えられるという経緯をたどりました。この規格の変更は、科学技術分野における国際的な協力と情報交換を円滑にする上で重要な役割を果たしています。

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