ISO 80000-1
ISO 80000-1:2009は、科学技術分野における量と単位の表記に関する国際標準規格であり、国際標準化機構（ISO）によって2009年に発行されました。この規格は、量と単位に関する共通の理解を促進し、国際的なコミュニケーションと技術開発を円滑に進めるための基盤を提供します。規格の正式名称は「量及び単位―第1部：一般」であり、量、単位、及びそれらの記号に関する一般的な規則を定めています。特に、国際量体系（ISQ）と国際単位系（SI）に焦点を当て、これらの体系における量の定義、次元、単位の定義、及び使用法について詳細に解説しています。
この規格は、旧規格であるISO 31-0やISO 1000などを置き換えるものであり、ISOと国際電気標準会議（IEC）が共同で発行するISO/IEC 80000シリーズの一部を構成しています。日本においては、日本工業規格（JIS）がJIS Z 8000-1:2014として、このISO規格に準拠した規格を策定しています。
ISO 80000-1は、以下の章と附属書で構成されています。
序文
0 （導入）
1 適用範囲
2 引用規格
3 用語及び定義
4 量
5 次元
6 単位
7 印刷に関する規則
附属書 A（規定）物理量の名称に用いる用語
附属書 B（規定）数の丸め方
附属書 C（規定）対数量及びその単位
附属書 D（参考）量及び単位の分野における国際機関
この規格は、量、量体系、単位、量記号、単位記号、および一貫性のある単位系に関する定義と一般的な規則を定めています。特に国際量体系（ISQ）と国際単位系（SI）に重点を置いており、これらの体系における量の定義、次元、単位の使用方法について詳細に規定しています。
この規格では、以下の重要な用語が定義されています。
量 (quantity)：現象、物体、物質の性質で、数値と参照によって表現できる大きさを持つもの。
量の種類 (kind of quantity)：相互に比較できる量に共通する側面。例：長さ、エネルギー。
量体系 (system of quantities)：量とそれらの関係を表す方程式の集合。
基本量 (base quantity)：他の量で表現できない量。
組立量 (derived quantity)：基本量から定義される量。
国際量体系 (ISQ)：7つの基本量（長さ、質量、時間、電流、熱力学温度、物質量、光度）に基づく量体系。
量の次元 (quantity dimension)：基本量のべき乗の積で表される量と基本量との依存関係。
無次元量 (dimensionless quantity)：次元が1である量。
単位 (unit)：同じ種類の量を比較するために定義された基準となる量。
基本単位 (base unit)：基本量の単位。
組立単位 (derived unit)：組立量の単位。
一貫性のある組立単位 (coherent derived unit)：比例定数が1である組立単位。
単位系 (system of units)：基本単位と組立単位の集合。
一貫性のある単位系 (coherent system of units)：すべての組立量が、一貫性のある組立単位で表される単位系。
国際単位系 (SI)：国際度量衡総会（CGPM）によって採択された一貫性のある単位系。
量の値 (quantity value)：量の大さを表現する数値と単位の組み合わせ。
量の数値 (numerical quantity value)：量の値における数値部分。
量方程式 (quantity equation): 量の間の関係を示す数式。
単位方程式 (unit equation): 単位間の関係を示す数式。
単位間の換算率 (conversion factor between units): 同じ種類の量を表す異なる単位の比率。
数値方程式 (numerical value equation): 特定の単位で表された数量値の間の関係を示す数式。
順序尺度量 (ordinal quantity): 大きさの順序関係は示せるが、代数演算ができない量。
測定目盛 (measurement scale): 同じ種類の量の値を順番に並べたもの。
順序尺度量の値の目盛 (ordinal quantity-value scale): 順序尺度量の測定目盛。
協定による参照目盛 (conventional reference scale): 公式な合意によって定義された測定目盛。
名義的性質 (nominal property): 大きさを持たない性質。
規格では、国際量体系（ISQ）における基本量と組立量の定義、量の次元の概念、そして国際単位系（SI）における基本単位と組立単位について詳細に解説しています。特に、SI接頭語を含む単位系の使用法について規定しています。
附属書 A：物理量の名称に用いる用語
物理量の名称に用いる用語に関する指針を提供します。例えば、「係数」、「因子」、「レベル」といった用語の使用法について解説しています。
附属書 B：数の丸め方
数値の丸め方に関する規則を規定しており、JIS Z 8401も参照されています。
附属書 C：対数量及びその単位
対数量とその単位について解説しています。
* 附属書 D：量及び単位の分野における国際機関
量と単位に関連する国際機関について紹介しています。
ISO 80000-1:2009は、科学と数学における量と単位の表記に関する重要な国際規格です。この規格を理解し、遵守することで、国際的なコミュニケーションと技術開発の円滑化に貢献できます。
この規格は、旧規格であるISO 31-0やISO 1000などを置き換えるものであり、ISOと国際電気標準会議（IEC）が共同で発行するISO/IEC 80000シリーズの一部を構成しています。日本においては、日本工業規格（JIS）がJIS Z 8000-1:2014として、このISO規格に準拠した規格を策定しています。
構成
ISO 80000-1は、以下の章と附属書で構成されています。
序文
0 （導入）
1 適用範囲
2 引用規格
3 用語及び定義
4 量
5 次元
6 単位
7 印刷に関する規則
附属書 A（規定）物理量の名称に用いる用語
附属書 B（規定）数の丸め方
附属書 C（規定）対数量及びその単位
附属書 D（参考）量及び単位の分野における国際機関
適用範囲
この規格は、量、量体系、単位、量記号、単位記号、および一貫性のある単位系に関する定義と一般的な規則を定めています。特に国際量体系（ISQ）と国際単位系（SI）に重点を置いており、これらの体系における量の定義、次元、単位の使用方法について詳細に規定しています。
用語及び定義
この規格では、以下の重要な用語が定義されています。
量 (quantity)：現象、物体、物質の性質で、数値と参照によって表現できる大きさを持つもの。
量の種類 (kind of quantity)：相互に比較できる量に共通する側面。例：長さ、エネルギー。
量体系 (system of quantities)：量とそれらの関係を表す方程式の集合。
基本量 (base quantity)：他の量で表現できない量。
組立量 (derived quantity)：基本量から定義される量。
国際量体系 (ISQ)：7つの基本量（長さ、質量、時間、電流、熱力学温度、物質量、光度）に基づく量体系。
量の次元 (quantity dimension)：基本量のべき乗の積で表される量と基本量との依存関係。
無次元量 (dimensionless quantity)：次元が1である量。
単位 (unit)：同じ種類の量を比較するために定義された基準となる量。
基本単位 (base unit)：基本量の単位。
組立単位 (derived unit)：組立量の単位。
一貫性のある組立単位 (coherent derived unit)：比例定数が1である組立単位。
単位系 (system of units)：基本単位と組立単位の集合。
一貫性のある単位系 (coherent system of units)：すべての組立量が、一貫性のある組立単位で表される単位系。
国際単位系 (SI)：国際度量衡総会（CGPM）によって採択された一貫性のある単位系。
量の値 (quantity value)：量の大さを表現する数値と単位の組み合わせ。
量の数値 (numerical quantity value)：量の値における数値部分。
量方程式 (quantity equation): 量の間の関係を示す数式。
単位方程式 (unit equation): 単位間の関係を示す数式。
単位間の換算率 (conversion factor between units): 同じ種類の量を表す異なる単位の比率。
数値方程式 (numerical value equation): 特定の単位で表された数量値の間の関係を示す数式。
順序尺度量 (ordinal quantity): 大きさの順序関係は示せるが、代数演算ができない量。
測定目盛 (measurement scale): 同じ種類の量の値を順番に並べたもの。
順序尺度量の値の目盛 (ordinal quantity-value scale): 順序尺度量の測定目盛。
協定による参照目盛 (conventional reference scale): 公式な合意によって定義された測定目盛。
名義的性質 (nominal property): 大きさを持たない性質。
量、次元、単位
規格では、国際量体系（ISQ）における基本量と組立量の定義、量の次元の概念、そして国際単位系（SI）における基本単位と組立単位について詳細に解説しています。特に、SI接頭語を含む単位系の使用法について規定しています。
附属書の内容
附属書 A：物理量の名称に用いる用語
物理量の名称に用いる用語に関する指針を提供します。例えば、「係数」、「因子」、「レベル」といった用語の使用法について解説しています。
附属書 B：数の丸め方
数値の丸め方に関する規則を規定しており、JIS Z 8401も参照されています。
附属書 C：対数量及びその単位
対数量とその単位について解説しています。
* 附属書 D：量及び単位の分野における国際機関
量と単位に関連する国際機関について紹介しています。
まとめ
ISO 80000-1:2009は、科学と数学における量と単位の表記に関する重要な国際規格です。この規格を理解し、遵守することで、国際的なコミュニケーションと技術開発の円滑化に貢献できます。
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