ISO 31

ISO 31は、国際標準化機構（ISO）によって策定された、量と単位に関する国際規格であり、科学技術分野における測定の標準化に不可欠な役割を果たしていました。この規格は14の主要な構成部分から成り立ち、それぞれの部分が特定の物理量や単位に関する定義、記号、および使用法を詳細に規定していました。具体的には、基本的な物理量である長さ、質量、時間などの単位から、より複雑な物理量や派生単位に至るまで、幅広く網羅していました。

日本においては、このISO 31に対応する規格として、日本工業規格（JIS）のJIS Z 8202が存在していました。JIS Z 8202は、ISO 31の原則を踏襲しつつ、日本の産業構造や教育体系に合わせた形で策定されていました。ただし、ISO 31-11「数学符号および記号」に関しては、JIS Z 8201が対応しており、ISO 31とJISの間には一部相違点も存在しました。

ISO 31は、長年にわたり国際的な測定基準の基盤として機能してきましたが、技術の進歩や新たな科学的発見に対応するため、より包括的で体系的な規格が必要とされるようになりました。そのため、現在ではISO 31はISO/IEC 80000に置き換えられています。ISO/IEC 80000は、より広範な科学技術分野をカバーし、単位系の定義だけでなく、記号、量、および物理量の使い方に関するより詳細なガイダンスを提供しています。

関連規格として、国際単位系（SI）は、ISO 31やISO/IEC 80000の基礎となる単位系であり、SI単位は国際的な測定の基本となっています。また、ISO、JIS、IECはそれぞれ国際的な規格策定機関であり、科学技術の発展に不可欠な役割を担っています。

ISO 31の構成

ISO 31は以下の14の構成から成っていました。

ISO 31-0: 一般原則
ISO 31-1: 空間と時間
ISO 31-2: 周期現象と関連現象
ISO 31-3: 力学
ISO 31-4: 熱
ISO 31-5: 電気と磁気
ISO 31-6: 光と関連電磁放射
ISO 31-7: 音響
ISO 31-8: 物理化学と分子物理学
ISO 31-9: 原子物理学と核物理学
ISO 31-10: 核反応と電離放射
ISO 31-11: 数学符号および記号
ISO 31-12: 特性数
ISO 31-13: 固体物理学

関連リンクと規格

JIS Z 8202-0 (ISO 31-0)「量及び単位 第 0 部：一般原則」: KIKAKURUI.COM - JIS Z 8202は、ISO 31を踏襲して策定された。
国際単位系 (SI)
国際標準化機構 (ISO)
日本工業規格 (JIS)
* 国際電気標準会議 (IEC): IEC 60027

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