ISO 6346

ISO 6346：海上コンテナの国際規格

ISO 6346は、海上コンテナの管理、識別、表示に関する国際規格です。この規格は、ISO 668に基づいて製造された海上コンテナに適用され、コンテナの所有者、シリアル番号、構造などを特定するための情報を付与します。

この規格の中心となるのは、11桁の識別コード（Identification Code）です。このコードは、所有者コード（3文字のアルファベット）、ユニット識別子（通常は「U」）、6桁のシリアル番号、チェックデジット（1桁の数字）で構成されます。さらに、国籍コード（2桁または3桁）や、構造区分コード（4桁）も付与され、コンテナのサイズ、種類、用途などの情報を提供します。

これらのコードやマークは、国際コンテナ協会（BIC）によって管理されており、コンテナの稼働情報、修理履歴、検査時期などの追跡に利用されます。これにより、世界規模でのインターモーダル輸送が円滑に行われるようになっています。

識別コードの詳細

オーナーコード: コンテナの所有者を識別する3文字のアルファベット。例えば、CSQはハパックロイドを表します。
ユニット識別子: ユニットを示すアルファベット「U」。例外的に別の文字が使用されることもあります。
シリアル番号: 所有者が独自に付与する6桁の数字。
チェックデジット: コンピュータによる誤り検出のための1桁の数字。

構造区分コード

構造区分コードは、コンテナのサイズや種類を示す4桁のコードで、1987年と1995年に改定されました。

1987年改定表

1987年の改定では、JIS Z 1615:1987として日本でも制定されました。このコードは、2桁の国籍コードと4桁の数字で構成されています。4桁の数字は、前2桁がコンテナの種類を、後2桁が形式を示すもので、コンテナをより細かく分類するために使用されます。例えば、タンクコンテナを普通品用と危険品用に細分化することで、適切なコンテナの割り当てや事故防止に役立てています。

1995年改定表

1995年の改定では、技術革新や物流の変化に対応するため、形式コードが大幅に見直されました。新たに、コンテナの強度ランクを示す記号や、強度低下したコンテナ専用のコードが導入されました。また、バルクコンテナやタンクコンテナの記号が変更され、容器内部の圧力規制値の細分化に対応しました。

バルクコンテナ: 従来の「B」記号が「N」記号に変更されました。
タンクコンテナ: 従来の「T」記号が「K」記号に変更され、10種類に再編されました。この改定は、複雑化するタンクコンテナの分類に対応するために行われました。

補足

一部のコンテナには、段積み強度を低く設計したものが存在し、陸上輸送や保管に限定して使用されます。これらのコンテナは、高層段積みには適していません。
旧規格のタンクコンテナの分類は、複雑化に対応するため、アルファベット2文字の組み合わせが追加されていましたが、混乱を避けるため、新規格では「K」記号を用いた10種類に再編されました。

国籍コード

国籍コードは、ISO 3166に基づいて付与され、コンテナの所有者の国籍を示します。アルファベット2文字で構成され、以前は3桁コードも使用されていました。

まとめ

ISO 6346は、海上コンテナの効率的な運用に不可欠な規格です。これにより、コンテナの追跡、管理、輸送が円滑に行われ、国際物流の基盤となっています。コンテナに表示されたコードは、見た目は単調ですが、その背後には複雑な情報と国際的な物流を支える重要な仕組みが存在します。

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