ISO 668

ISO 668とは

ISO 668は、インターモーダル輸送貨物コンテナに関する国際規格であり、コンテナの分類、寸法、および定格を規定しています。1967年に導入されて以来、コンテナの内部および外部寸法、ドアの最小サイズ（もしあれば）を定義し、2005年の改訂ではコンテナの総重量と構造的な重量バランスも規定されました。最新版は2020年に定義された第7版で、バージョンEが統合されています。

バリエーション

コンテナには様々な種類がありますが、「ハイ・キューブ」と呼ばれるものは、通常のコンテナよりも背が高いタイプを指します。

また、2005年の改訂で登場した45フィートコンテナは、1EEおよび1EEE規格として規定されています。

現行のISO規格には含まれていないものの、過去の規格に基づいて現在も生産されている1Eおよび1F規格のコンテナも存在します。

歴史

ISOコンテナ規格の円滑な推進のため、1961年6月にヘルシンキで開催されたISO理事会にて「国際標準化機構貨物コンテナ専門委員会（ISO/TC104）」が設立されました。同年9月にはニューヨークで第1回総会が開催され、規格制定に向けた国際的な調整と議論が始まりました。

1964年7月、ハンブルクでの第3回総会で、国際海上貨物用コンテナの基礎となる数値が決定され、1968年に「ISO 668」として初代規格が確立しました。海上貨物用コンテナは、主に20フィート（6,058mm）と40フィート（12,192mm）の2種類の長さが用いられ、コンテナ取扱量の単位TEUは、20フィートコンテナ1個分を1TEUとしています。制定当初、コンテナの幅と高さは、すべての長さのタイプで8フィート（2,438mm）の正方形でした。

その後の物流の変化に伴い、「より軽量な貨物を多く積載したい」という要望から、高さが8フィート6インチ（2,591mm）のコンテナがISO 668に追加されました。しかし、コンテナ陸送用のシャーシは、世界的に地上高が3.8mと決定されており、最初のコンテナの高さが8フィートに決定されていました。当時のシャーシは低床化されており、トラクターの低車高化も構造的に困難でした。また、トラクターと40フィートコンテナを合わせた全長も、現代のように長くありませんでした。

このため、20フィートタイプのシャーシでは、連結部より後方を下げて8フィート6インチ型を輸送できましたが、40フィートコンテナ用シャーシでは、連結部の構造上の理由から全長を均等に低床化することができませんでした。そこで、コンテナ底面にある空間を利用して、シャーシの連結部と嵌合する6インチ（153mm）の「グースネックトンネル」がコンテナ底面に設けられました。これにより、シャーシの床面全体を6インチ下げることが可能となりました。道路運送上の要請から、40フィートコンテナにはグースネックトンネルが設けられています。

これらの経緯を経て、1969年10月にニューヨークで開かれた第6回総会で、まず40フィートタイプに高さ8フィート6インチタイプがISOコンテナとして認定されました。その後、1974年10月、東京での第8回総会で、30フィートタイプに高さ8フィート6インチタイプが【区分1BB】コンテナとして、20フィートタイプに高さ8フィート6インチタイプが【区分1CC】コンテナとして、それぞれISOコンテナに認定されました。1976年5月のワシントンでの第9回総会では、旧シーランド社が使用していた35フィートタイプは、汎用性に欠けるという理由でISO規格への承認が見送られました。一方で、ヨーロッパからの申請により、20フィートタイプの【区分1C】および【区分1CC】タイプの最大総重量が24トンまで認められました。

これらの規制緩和と、8フィート6インチタイプのコンテナを積載しても、地上高3.8mを維持できるようになったことで、40フィートコンテナはグースネックトンネルを備えた8フィート6インチタイプが主流となり、コンテナの規格が確立されました。

関連情報

ウィキメディア・コモンズには、海上コンテナの詳細な特徴に関するメディアが掲載されています。

参考資料

ISO 668:2020 (英語) - ISO公式ウェブサイト

関連項目

ISO 1496-1
ISO 6346 - コンテナへのコード付与
JIS Z1610 - 部分的な互換性がある

外部リンク

ISO 668:1995(E) - 標準(修正1および2)
ISO 668:2013(E) - PDFアーカイブ
* ISO Technical committee TC104: Freight containers

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