ISO 690

ISO 690: 文書引用のための国際標準規格

ISO 690は、[国際標準化機構]が定めた、文書の引用方法に関する国際標準規格です。書籍、論文、ウェブサイトなど、様々な種類の文書の引用方法を統一的に規定することで、情報の正確性と信頼性を高めることを目的としています。特に、公[[文書]]や電子文書の引用についても明確なルールを示している点が特徴です。

ISO 690は、大きく分けて以下の2つの文書から構成されています。

ISO 690:1987 (Documentation — Bibliographic references — Content, form and structure): 文書の引用に必要な要素、形式、構造を規定しています。1975年に初版が発行され、その後改訂を重ねてきました。
ISO 690-2:1997 (Information and documentation — Bibliographic references — Part 2: Electronic documents or parts thereof): 電子文書の引用方法を具体的に示しています。インターネットの普及に伴い、電子データの引用方法の標準化が重要になるなかで策定されました。

ISO 690では、様々な種類の文献に対する引用方法が規定されています。例として、以下のような文献の引用方法が示されています。

[モノグラフ]: 著者名、書名、版数、出版地、出版社、出版年、ページ数、ISBNなどの情報を記述します。

例：Lominandze, D. G. Cyclotron waves in plasma. Translated by A. N. Dellis; edited by S. M. Hamberger. 1st ed. Oxford: Pergamon Press, 1981. 206 p.; International series in natural philosophy. Translation of: Ciklotronnye volny v plazme. ISBN 0-08-021680-3.

モノグラフの一部: 単行本の特定の章や節を引用する場合は、該当部分のページ数を明記します。

例：Parker, T. J., and W. D. Haswell. A Text-book of zoology. 5th ed., vol. 1, revised by W. D. Lang. London: Macmillan, 1930. Section 12, Phyllum Mollusca, pp. 663-782.

モノグラフ中の寄稿: 編著された書籍の中の特定の寄稿を引用する場合は、寄稿者名、寄稿タイトル、編者名、書名、出版地、出版社、出版年、ページ数を記述します。

例：Wringley, E. A. “Parish registers and the historian.” In National index of parish registers, edited by D. J. Steel, vol. 1, 155–167. London: Society of Genealogists, 1968.

定期刊行物(雑誌、学術誌など): 雑誌名、巻号、号数、出版年、ページ数、ISSNなどを記述します。

例：Communication equipment manufacturers. Manufacturing a Primary Industries Division, Statistics Canada. Preliminary Edition, 1970-. Ottawa: Statistics Canada, 1971-. Annual census of manufacturers. (English), (French). ISSN 0700-0758.

定期刊行物中の論文: 論文の著者名、論文タイトル、雑誌名、巻号、号数、出版年、ページ数を記述します。

例：Weaver, William. “The Collectors: command performances.” Photography by Robert Emmet Bright. Architectural Digest*, December 1985, vol. 42, no. 12, pp. 126–133.

ISO 690は、正確な引用を行うための詳細なルールを規定しており、学術論文や報告書の作成において重要な役割を果たします。正確な情報伝達と研究倫理の観点からも、適切な引用方法を理解し、実践することが求められています。 BibTeXなどの参考文献管理ツールと併用することで、効率的な引用作業を行うことが可能です。

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