ISO 7001

ISO 7001は、国際標準化機構（ISO）が定める、公共の場所における案内用図記号（ピクトグラム）に関する国際規格です。この規格の正式名称は"Graphical symbols -- Public information symbols"であり、日本語では「図記号－一般案内用図記号」と訳されます。世界中の様々な場所で、人々が情報をスムーズに理解し、円滑な行動をサポートするために、一貫した視覚的コミュニケーションツールとして、ピクトグラムが使用されています。

ISO 7001は、これらのピクトグラムのデザインと使用に関する基準を定めるもので、2013年5月には修正版が発行され、障害者優先の施設や座席を示すピクトグラムが新たに追加されました。この改訂は、より包括的な案内表示を提供し、社会の多様性を反映させるための重要な一歩となりました。

この規格で定められているピクトグラムは、広範囲にわたるテストを経て、様々な国や文化の人々が理解しやすいデザインとなっています。ISOが設定した厳格な基準を満たしており、国際的に一貫性のあるコミュニケーションを可能にしています。ISO 7001には、トイレ、駐車場、情報案内所、アクセス方法などの日常的に利用される場所やサービスを示すピクトグラムが含まれており、これらのシンボルは、言葉による説明が難しい状況や、多言語が混在する環境においても、情報の伝達を円滑に進める上で重要な役割を果たしています。

日本では、このISO 7001の規格が、日本産業規格（JIS）のJIS Z 8210「案内用図記号」に組み込まれています。JIS Z 8210は、ISO 7001とISO 7010（安全標識に関するISO規格）の内容を統合しており、日本国内におけるピクトグラムの標準化に貢献しています。これにより、日本国内でも国際的な基準に沿った案内用図記号が普及し、外国人訪問者にとっても理解しやすい環境が整備されています。

関連規格

DOTピクトグラム: アメリカ合衆国で定められた案内用図記号の規格です。
ISO 7010: 安全標識に関するISO規格です。

ISO 7001は、公共の場所で情報を伝えるための重要なツールであり、世界中の人々が円滑にコミュニケーションをとる上で不可欠な存在です。この規格の普及と適用は、国際的な相互理解を促進し、より便利で安全な社会の実現に貢献しています。

もう一度検索