ISO 7010とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

ISO 7010は、国際標準化機構（ISO）によって定められた、危険、警告、安全に関する標識の国際規格です。正式名称は「Graphical symbols Safety colours and safety signs Registered safety signs」であり、日本語では「図記号－安全色及び安全標識－登録安全標識」と訳されます。

この規格は、ISO 3864で規定された色の使用法に基づき、言語に依存せずに理解できる安全情報の提供を目指しています。特に、有害物質の分類においては、国連が定める化学品の分類および表示に関する世界調和システム（GHS）とは異なる基準を用いている点が特徴です。

2024年1月現在、最新バージョンはISO 7010:2019であり、この版では水泳安全標識と浜辺の安全旗に関する規定を盛り込んだISO 20712の内容が統合されました。これにより、水辺の安全に関する情報も、国際的な統一基準で示されることになります。

日本の産業規格（JIS）においては、JIS Z 8210「案内用図記号」にISO 7010およびISO 7001の内容が取り入れられています。このことは、日本の案内標識が国際規格に準拠し、グローバルなコミュニケーションを促進する上で重要な役割を果たしていることを意味します。

標識の形と色

ISO 7010では、標識が伝える情報の種類を明確にするため、5種類の形と色の組み合わせが用いられています。これにより、緊急度や危険度に応じて、視覚的に情報を区別することが可能です。

標識の種類

ISO 7010:2019に規定された標識は、大きく分けて以下の5つのカテゴリに分類されます。

安全標識

安全な行動や場所を示す標識です。緑色を基調とし、安全な避難経路や救急施設の位置などを表します。

火気安全標識

火災や爆発の危険性を示す標識です。赤色を基調とし、消火器の場所や火気厳禁の場所などを表します。

指示標識

特定の行動や指示を促す標識です。青色を基調とし、保護具の着用義務や特定の作業手順などを表します。

禁止標識

禁止されている行動や場所を示す標識です。赤色と斜線を組み合わせて、進入禁止や喫煙禁止などを表します。

警告標識

危険や注意を喚起する標識です。黄色を基調とし、転倒の危険や高電圧の危険などを表します。

これらの標識は、その場所が持つ危険や必要な行動を直感的に理解できるように設計されています。国際規格であるISO 7010は、異なる言語や文化圏の人々が安全情報を共有し、共通の理解を深める上で不可欠です。

この規格は、単に標識のデザインを定めるだけでなく、安全文化の醸成にも貢献しています。グローバル化が進む現代において、ISO 7010のような国際規格の重要性はますます高まっています。

脚注

ISO 7010は、定期的に見直され、新しい標識や規定が追加されることがあります。常に最新の規格を参照することが重要です。

ISO 7010