ISO 8601

ISO 8601：日付と時刻の国際標準規格



ISO 8601は、国際標準化機構（ISO）が定めた、日付と時刻の表記に関する国際規格です。異なる国や文化圏で日付や時刻の表記が異なることが原因で生じる混乱を避けるため、世界共通の表記法を定めています。

背景



例えば、「11/09/12」という表記は、日本で2011年9月12日、イギリスで2012年9月11日、アメリカで2012年11月9日と、国や地域によって解釈が異なります。ISO 8601は、このような曖昧さを解消し、日付と時刻の情報を正確に伝達するための統一された方法を提供します。

規格の概要



ISO 8601では、日付と時刻の各要素を「大→小」の順に並べることを基本としています。具体的には、年、月、日、時、分、秒の順で表記します。また、区切り文字にはハイフン「-」やコロン「:」を使用し、スラッシュ「/」などは使用しません。

日付の表記


  • - 基本形式: YYYYMMDD （例：20220904）
  • - 拡張形式: YYYY-MM-DD （例：2022-09-04）

時刻の表記


  • - 基本形式: hhmmss （例：160748）
  • - 拡張形式: hh:mm:ss （例：16:07:48）

日付と時刻を組み合わせる際は、日付と時刻の間に「T」を挿入します。

  • - 例: 2022-09-04T16:07:48.53

タイムゾーンの表記


協定世界時（UTC）の場合は「Z」を付与します。それ以外のタイムゾーンでは、「+」または「-」に続けて時差を表記します。

  • - 例: 2022-09-04T16:07:48+09:00（日本時間）

規格の歴史



ISO 8601は、以下の経緯で改訂されてきました。

  • - ISO 2014:1976：最初の全数字形式での日付表記
  • - ISO 8601:1988：日付と時刻の表記に関する初の規格
  • - ISO 8601:2000：改訂版
  • - ISO 8601:2004：改訂版
  • - ISO 8601-1:2019 および ISO 8601-2:2019：規格を2分冊化
  • - ISO 8601-1:2019/Amd 1:2022：技術的な修正

基本形式と拡張形式



ISO 8601には、基本形式と拡張形式の2種類の表記方法があります。基本形式は区切り文字を使用せず、拡張形式は区切り文字を使用することで可読性を高めています。

  • - 基本形式: YYYYMMDDThhmmss+0900（例: 20220904T160748+0900）
  • - 拡張形式: YYYY-MM-DDThh:mm:ss+09:00（例: 2022-09-04T16:07:48+09:00）

これらの形式は、日付と時刻の組み合わせにおいて混在させることはできません。どちらかの形式に統一する必要があります。

起点



ISO 8601では、以下の点を起点としています。


日付の表記方法



ISO 8601では、以下の3つの方法で日付を指定できます。

1. 年、月、日: YYYY-MM-DD または YYYYMMDD
2. 年と年内の日の番号: YYYY-DDD（例：2022-247は2022年の247日目）
3. 年、週、曜日: YYYY-Www-D（例：2022-W35-2は2022年の第35週の火曜日）

年の表記


通常は4桁の数字で表記しますが、0000年以前や9999年以降は、事前の合意に基づき、符号付きで5桁以上の数字で表記できます。

月の表記


月の表記は、01から12までの2桁の数字で表記されます。

時刻の表記方法



時刻は24時間制で表記します。12時間制のオプションはありません。

表記は、hh:mm:ss の形式です。秒は小数点以下で表記することも可能です。

例: 18:30:09.57

日付と時刻を組み合わせる場合は、日付と時刻の間に「T」を挿入します。例: 2022-09-04T16:07:48

継続時間



継続時間は、ある期間中に含まれる時間の合計を定義し、P[n]Y[n]M[n]DT[n]H[n]M[n]S、または、P[n]Wの形式で表されます。

例：P3Y6M4DT12H30M5S は「3年、6か月、4日、12時間、30分、5秒」という継続時間を表します。

期間と時間間隔



期間は、開始日時と終了日時をスラッシュ「/」で区切って表記します。

例: 2022-09-04/2023-03-04

繰り返し間隔



繰り返し間隔は、R[n]/ を先頭に付けます。n は繰り返し回数を意味し、省略した場合または-1を指定した場合は無制限の繰り返しを意味します。

日本におけるISO 8601



日本では、JIS X 0301でISO 8601をベースに、元号による年の表記を規定しています。元号は「明」「大」「昭」「平」「令」または「M」「T」「S」「H」「R」で表し、日付は「YY.MM.DD」または「NYY.MM.DD」の形式で表記します。

例: R04.09.04（令和4年9月4日）

プログラミング言語での実装



多くのプログラミング言語で、ISO 8601形式の日付と時刻を扱うための標準ライブラリや機能が提供されています。

まとめ



ISO 8601は、日付と時刻の表記におけるあいまいさを解消し、国際的な情報交換を円滑にするための重要な国際規格です。この規格を理解し、適切に利用することで、正確な時間情報を共有することができます。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。