ISU-152 (自走砲)

ISU-152（ISU-152K）

ISU-152は、ソ連が第二次世界大戦中に開発した自走砲で、IS-2重戦車のシャーシを利用し、152mmのML-20榴弾砲を装備しています。この車両は1943年12月から量産が始まり、戦後1955年まで生産が続けられました。ISUシリーズの中でも特に注目される存在です。

概要と開発経緯

ISU-152の開発は、戦局の変化に伴い、IS-85をベースとした新型の自走砲が求められたことから始まりました。1943年の夏に試作車が完成し、その後ISU-152として正式に採用されました。同一シャーシを使うISU-122に比べ、152mmの砲を搭載したISU-152は、より大きな火力を持つことができました。

車両の設計はSU-152を基にしており、戦闘室の形状は似ているものの、IS型シャーシの特性により高めの戦闘室を持っています。戦闘室には2つのハッチが設けられており、両開き式のデザインです。性能向上のため、設計思想も踏襲しつつ改良が重ねられ、装薬や弾薬は車両内部に戦略的に配置されていました。

配備と使用

ISU-152は、1944年2月から独立重自走砲連隊や特別機械化砲兵旅団に配備され、対ドイツ軍の戦闘で活躍しました。特にバグラチオン作戦や市街戦ではその火力を発揮し、多くの敵装備を撃破しました。榴弾は特に中戦車に対して有効で、徹甲弾の貫通が難しい装甲に対しても、その炸薬量によって効果を発揮しました。

改良型と派生型

戦後もISU-152は改良を受け、1956年にはISU-152Kとしてエンジン変更が行われました。また、1959年にはISU-152Mが登場し、暗視装置が追加されました。更に、多くの派生型が開発されており、野戦指揮車両や装甲回収車といった車両も存在します。このように、ISU-152はその基本設計を基に多方面での応用がなされました。

戦後の実戦参加と輸出

朝鮮戦争では朝鮮人民軍によって使用され、1960年代にはエジプトにまで輸出されました。これらの車両は後の中東戦争でも投入され、戦闘に使われたことが記録されています。旧イラク軍でも運用され、特に湾岸戦争などでその姿が見られました。

登場するメディア

ISU-152は、映画やゲームなど多くのメディアにも登場します。映画『ホワイトタイガー』では、ソ連軍の一部としてその存在感を示し、ゲーム『War Thunder』や『World of Tanks』ではプレイヤーによって操作可能な車両として再現されています。

ISU-152は、その独特なデザインと強力な火力から、戦車戦や攻撃的な作戦において重要な役割を果たしました。今なお、その歴史的意義は評価されています。

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