ITAエアウェイズ

ITAエアウェイズ：イタリアの新たな翼

2021年10月15日、イタリアの国営航空会社ITAエアウェイズ（ITA Airways）が運航を開始しました。正式名称はItalia Trasporto Aereo S.p.A.で、アリタリア-イタリア航空の後継として、イタリアのフラッグキャリアの役割を担っています。経済財務省が所有するITAエアウェイズは、アリタリア航空の資産を継承し、イタリアの空の未来を切り開く存在として注目を集めています。

歴史：アリタリアからの継承と新たな展開

ITAエアウェイズの設立は、2020年10月10日にイタリア政府が航空法令に署名したことに端を発します。アリタリア航空の経営難を受け、新たな国営航空会社設立の必要性が生じたのです。2021年8月には航空運送事業許可を取得し、航空券の販売を開始。同年9月にはエアバスとの戦略的パートナーシップを締結し、新世代機の導入を決定しました。リース契約も締結し、機材整備を着々と進めました。10月14日、アリタリア航空は運航を終了。翌日、ITAエアウェイズがその歴史を刻みます。ミラノ・リナーテ空港発バーリ国際空港行きAZ1637便は、新たな時代の幕開けを告げました。

その後もITAエアウェイズは発展を続け、2021年10月29日にはスカイチームに加盟。2022年には、MSCとルフトハンザグループ、デルタ航空とエール[[フランス]]-KLMなど、複数の企業がITAエアウェイズの株式取得に関心を示しました。買収交渉は紆余曲折を経て、2023年5月、ルフトハンザグループがITAの株式の41％を取得、さらに残りの株式取得オプションも保有する契約を締結しました。6月にはイタリア監査裁判所が承認し、2024年7月、欧州委員会は条件付きで買収を承認。条件を満たしたことで、同年11月には完全承認となりました。そして、2024年10月、ITAはアリタリアブランドの再使用を発表しました。

デザイン：イタリアを象徴する機体

ITAエアウェイズの機体は、イタリアらしさを象徴するデザインとなっています。2021年12月には、ブルーメタリックの胴体と白い翼、ホワイトゴールドのロゴが採用され、尾翼にはイタリア国旗の三色が鮮やかに映えます。このカラーリングは、メタリック塗装による重量増加と燃料消費量の増加が課題として指摘されています。また、特別なデザインの機体も存在します。「Born in 2021」の文字がイタリア国旗の色で書かれた機体や、「BORN TO BE SUSTAINABLE」を掲げる機体など、多様なデザインが注目されています。モンツァサーキット100周年を記念したステッカーを貼付した機体もあります。

ロゴマークも歴史を反映しています。2020年12月に初公開されたロゴは、イタリア国旗の色を組み合わせたデザインが特徴でした。2021年10月の更新では、緑を基調に赤をアクセントとしたデザインとなり、より洗練された印象を与えています。

運用：路線網の拡大とサービスの向上

ITAエアウェイズは、再国営化に伴い一部の発着枠を譲渡しましたが、2022年2月には外国人国際航空運送事業の経営許可を取得し、同年11月にはローマと東京/羽田間の路線を開設しました。アジア路線への進出は、ITAエアウェイズの国際的なネットワーク拡大を示しています。現在も路線網の拡大を計画しており、2025年までに74地点89路線への拡大を目指しています。

サービス：充実のマイレージプログラムと快適な機内空間

ITAエアウェイズのマイレージサービス「Volare」は6段階の会員レベルがあり、レベルに応じてラウンジアクセスや優先荷物対応などの特典が提供されます。また、ビジネスクラスは長距離路線ではフルフラットシートとアラカルトメニューを提供。短・中距離路線でも快適な空間とサービスを提供しています。プレミアムエコノミークラスも用意され、座席配列やシート仕様、サービス内容など、様々なニーズに応える選択肢を提供しています。Wi-Fi接続についても、順次新機材に整備を進めています。

まとめ

ITAエアウェイズは、歴史、デザイン、運用、サービスのあらゆる面で、イタリアの航空業界の未来を担う存在です。アリタリア航空の遺産を受け継ぎながら、新たな挑戦を続けるITAエアウェイズの今後の展開に期待が高まります。

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