ITUゾーン

ITUゾーンとは、国際電気通信連合（ITU）によって定められた、地球上の全領域を90個に分割した区分です。この区分は、1948年から1949年にかけてメキシコシティで開催された、短波放送に関する国際会議で決定されました。この会議は、Conferencia Internacional de Radiodifusión por Altas Frecuencias（短波放送に関する国際会議）と呼ばれ、その略称からCIRAFゾーンとも称されることがあります。

ITUゾーンの主な目的は、短波放送局間の相互干渉を避けるための周波数割り当て計画を策定することです。短波放送は、電波が地球上の広い範囲に伝播するため、複数の放送局が同じ周波数を使用すると、干渉が発生し、放送品質が著しく低下する可能性があります。ITUゾーンによって、各地域に適切な周波数を割り当てることで、これらの問題を軽減できます。

この区分は、短波放送の分野だけでなく、アマチュア無線の世界でも広く活用されています。アマチュア無線では、特定のITUゾーンの無線局と交信することで、アワードやコンテストの成績を競うことがあります。これは、アマチュア無線家が世界各地の無線局との交信を記録し、その成果を共有する楽しみの一つとなっています。

ITUゾーンの区分は、地球全体をカバーしており、各ゾーンは地理的な位置に基づいて決定されています。これにより、世界中の無線局が、相互に干渉することなく効率的に通信を行うことが可能となります。

関連事項

CQゾーン: CQゾーンは、アメリカのCQ誌が定めた世界区分で、アマチュア無線の分野で広く使用されています。ITUゾーンとは異なる区分方法ですが、両方とも無線通信の管理と運用に重要な役割を果たしています。
ITU地域: ITU地域は、国際電気通信連合が定めた別の区分で、無線通信の周波数割り当てや管理において、地域的な特性を考慮するために使用されます。ITUゾーンと併用されることがあります。

外部リンク

* ITU-Rのサイト内の説明

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