ITU地域

[国際電気通信連合]は、電波の利用を円滑に進めるため、[無線通信規則]に基づき、世界を3つの地域（ITU地域）に分割しています。この区分は、各地域における周波数分配を調整する上で重要な役割を果たしています。

ITU地域区分

ITUは、電波の利用を調整するために、世界を3つの地域に分けています。これらの地域は、それぞれ異なる周波数帯域の利用が割り当てられており、無線通信が円滑に行われるように調整されています。地域区分は以下の通りです。

第一地域 (Region 1): ヨーロッパ、アフリカ、旧ソ連地域、モンゴル、ペルシャ湾より西の中東が含まれます。
第二地域 (Region 2): アメリカ大陸（グリーンランド、ハワイを含む東太平洋の島嶼を含む）が該当します。
第三地域 (Region 3): イランより東のアジア（旧ソ連地域を除く）とオセアニアが含まれます。

これらの区分は、おおよその地理的な範囲を示していますが、実際の境界線は無線通信規則においてより詳細に定義されています。具体的には、A線、B線、C線という3つの線を用いて区切られており、これらの線は特定の経度と緯度を結ぶ大円や直線によって定められています。

各地域の詳細な境界線

各地域の境界は、単なる地理的な区分ではなく、無線通信の調整を目的とした複雑な規定によって定められています。以下に、その詳細を説明します。

第一地域:

東はA線、西はB線によって区切られます。
ただし、イランは除外され、アルメニア、アゼルバイジャン、グルジア、カザフスタン、モンゴル、ウズベキスタン、キルギスタン、ロシア、タジキスタン、トルクメニスタン、トルコ、ウクライナ、およびロシア北方の海域は第一地域に含まれます。

第二地域:

東はB線、西はC線によって区切られます。

第三地域:

東はC線、西はA線によって区切られます。
第一地域に含まれる地域を除き、この区画線外にあるイランの領域が含まれます。

境界線を定めるA線、B線、C線

各地域の境界を定めるA線、B線、C線は、以下の通りに定義されています。

A線:

北極点から東経40度線に沿って北緯40度線まで進みます。
次に、大円に沿って東経60度線と北回帰線の交点まで進みます。
最後に、東経60度線に沿って南極点まで進みます。

B線:

北極点から西経10度線に沿って北緯72度線との交点まで進みます。
次に、大円に沿って西経50度線と北緯40度線の交点まで進みます。
次に、大円に沿って西経20度線と南緯10度線の交点まで進みます。
最後に、西経20度線に沿って南極点まで進みます。

C線:

北極点から大円に沿って北緯65度30分線とベーリング海峡の国境との交点まで進みます。
次に、大円に沿って東経165度線と北緯50度線の交点まで進みます。
次に、大円に沿って西経170度線と北緯10度線の交点まで進みます。
次に、北緯10度線に沿って西経120度線との交点まで進みます。
最後に、西経120度線に沿って南極点まで進みます。

これらの線によって、世界の各地域が明確に区切られ、無線通信の調整が行われています。この複雑な境界線は、地球上の電波利用を円滑にするために不可欠なものです。

関連事項

ITUゾーン: ITU地域とは異なる、別の電波伝搬特性に基づく地域区分です。
ヨーロッパ放送地区: ヨーロッパにおける放送の周波数分配を調整するための地域区分です。

出典・外部リンク

Google Map of International Telecommunication Union region divisions
2006 map showing the three ITU regions and the three lines that define the borders (along with an extra line)
* Region definitions as specified in Article 5 of the ITU Radio Regulations

これらの資料を参照することで、より詳細な情報を得ることができます。ITU地域は、国際的な無線通信において非常に重要な役割を果たしており、その区分は複雑ながらも精密に定義されています。

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