IceWM

IceWMは、X Window System環境で動作するスタック型ウィンドウマネージャの一つです。Marko Maček氏によってC++でゼロから開発され、その軽量さと高いパフォーマンスが特徴です。IceWMは、限られたシステムリソースでも快適に動作するように設計されており、メモリ使用量とCPU使用率を最小限に抑えることに重点が置かれています。このため、古いコンピュータやリソースの少ない環境でも、軽快なデスクトップ環境を提供します。

IceWMの大きな特徴の一つに、テーマ機能があります。これにより、Windows 95、OS/2、Motifなどの既存のオペレーティングシステムのユーザーインターフェースに似せた外観を再現できます。これにより、異なる環境からの移行ユーザーも違和感なく利用を開始できます。さらに、テーマをカスタマイズすることで、独自のデスクトップ環境を作り出すことも可能です。

IceWMの設定は、テキスト形式のファイルを通じて行います。これらの設定ファイルはユーザーのホームディレクトリに保存されるため、簡単にコピー、バックアップ、カスタマイズが可能です。また、テキストエディタでの編集だけでなく、設定を容易にするGUIプログラムも提供されています。これにより、初心者から熟練ユーザーまで、幅広い層がIceWMの設定を柔軟に行えます。

IceWMには、組み込みのタスクバーが含まれています。このタスクバーには、アプリケーションメニュー、起動中のタスク表示、ネットワークやCPUの使用状況を示すメーター、メールチェッカー、カスタマイズ可能な時計などが配置されています。これにより、日常的なタスクに必要な情報に簡単にアクセスできます。

開発者によると、IceWMという名前は「非常に暑い日に決めた」とのことです。このエピソードからも、IceWMのシンプルでありながら実用的な設計思想が伺えます。

IceWMは、Absolute LinuxやantiXなどの一部のLinuxディストリビューションで標準のGUIとして採用されています。これらのディストリビューションでは、IceWMの軽量さと安定性が高く評価されており、リソースを節約しながら快適なデスクトップ環境を提供するために利用されています。

関連項目

JLime
ウィンドウマネージャ
スタック型ウィンドウマネージャ

外部リンク

公式ウェブサイト（英語）
IceWM Control Center
IceWM Control Panel
IceWMテーマ｜KDE-Look.org
IceWM Themes | Box-Look.org

もう一度検索