Ikenfell

Ikenfell（アイケンフェル）

『Ikenfell』は、カナダのインディーゲームスタジオHappy Ray Gamesが開発し、Humble Gamesより2020年10月8日（日本時間で10月9日）にリリースされたRPGです。このゲームは、異変が続く魔法学院アイケンフェルを舞台に、主人公マリットが行方不明の姉サフィーナを探す旅を描いています。彼女は仲間たちと共に学院の中を巡りながら、数々の謎に迫っていきます。

ゲームの背景と開発

本作の開発者たちのインスピレーションは、ペーパーマリオやハリー・ポッターシリーズの影響が色濃く見られます。また、魔法学院という設定は、著者レインボー・ローウェルによる小説『Carry On』から採られています。この設定が、ゲームの個人開発としても合致すると思われたためです。

視覚的には、ゲームボーイアドバンス用ソフトへの愛情からドット絵を採用しており、特に『ポケットモンスター ルビー・サファイア』や『MOTHER3』が強く影響を受けた作品です。

LGBTQの表現と多様性

『Ikenfell』には多くのLGBTQキャラクターが登場し、ゲームデザイナーのシェビー・レイ・ジョンストン自身もLGBTQであることから、多様性を尊重した世界観が展開されています。制作チームにはクィアのライターも参加しており、誰にでも居場所のある優しい世界を目指しています。クラウドファンディングによる資金集めも成功し、目標に対して2倍以上の資金が集まりました。

戦闘システムとゲームプレイ

このゲームの戦闘は、3マスの縦と12マスの横のフィールドで展開され、ターン制によるシンプルなストラテジー形式が採用されています。最大6人のキャラクターが仲間として登場しますが、実際に戦闘に参加できるのは3人までです。攻撃や回復、補助などのアクションは魔法を使用して行い、魔法ごとにその効果範囲も異なります。特筆すべきはMPが存在せず、魔法を何度でも使用できる点です。ただし、一部の魔法にはクールダウン期間が設けられています。

また、魔法を発動中にコントローラーのボタンをタイミングよく押すことで「NICE!」や「GREAT!」の判定があり、成功すると攻撃力が上がり、失敗すると下がります。敵からの攻撃にも同様のタイミングが求められ、工夫しながら戦う面白さがあります。特にHPが0になる攻撃を受けた際に成功することでHP1で切り抜けることも可能です。

セーブやオプション

セーブは、ゲーム内に登場する猫と話すことで行え、一緒にHP全回復もできます。また、オプション機能には戦闘時のタイミングを自動設定したり、勝利扱いにして戦闘を即終了したりする機能も搭載されています。

主なキャラクター紹介

• - マリット・ヒルデガルド: 物語の主人公で、失踪した姉サフィーナを探す。彼女は魔法が使えない普通の人だったが、旅の途中で魔法を手に入れる。
• - ペトロネラ: サフィーナの同級生で、錬金術を得意とする。自信がなくとも戦闘では彼女の特技を活かす。
• - ルック: 闇の魔法を扱うサフィーナの同級生で、彼女に恋心を抱いている。
• - ペルティシア: 氷の魔法を得意とし、サフィーナに救われた後に仲間になる。
• - アイマ: 史学の教師で、サフィーナの失踪に関与する秘密を抱えている。

結論

『Ikenfell』は、魔法学院という舞台を背景に、個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語を楽しむことができるRPGです。彼らの成長や絆、LGBTQの要素を絡めながら、魅力的な冒険が繰り広げられます。これにより、プレイヤーはただのRPGの枠を超えた深い体験を得ることができます。

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