In Forest

IN FOREST (シングル)

「IN FOREST」は、日本のヴィジュアル系ロックバンド、La'cryma Christiが1998年11月11日に世に送り出した通算6枚目のシングル作品です。発売元はポリグラムのポリドールレーベル。彼らのキャリアにおいて、オリコン週間シングルチャートで初登場8位を記録し、商業的にも成功を収めた重要なシングルの一つに位置づけられます。

楽曲の背景と特徴

表題曲の「IN FOREST」は、バンドがインディーズ時代に発表していた楽曲「Forest」のライブバージョンを原型としています。このライブ音源は一度はお蔵入りとなっていましたが、ギタリストのHIRO氏によって新たにアレンジが加えられ、生まれ変わりました。ボーカルのTAKA氏による歌詞も、原曲から大幅に書き改められており、楽曲全体の印象を新たなものにしています。この楽曲は、1998年10月から12月にかけてテレビ朝日系列で放送された『ビートたけしのTVタックル』のエンディングテーマとして使用され、多くのリスナーの耳に届きました。

カップリング曲「Lhasa (unplugged)」

本作のカップリングには、「Lhasa (unplugged)」が収録されています。これは、本作の2週間後にリリースされた同名のアルバム『Lhasa』に収められているタイトル曲「Lhasa」のアコースティック・バージョンです。オリジナルバージョンとは趣を異にするシンプルなアレンジが特徴で、バンドの多様な音楽性を垣間見ることができます。この楽曲は、日本テレビ系列の料理バラエティ番組『どっちの料理ショー』のエンディングテーマとしても使用されました。

カップリング曲「Lhasa」のプロモーションビデオは、映画監督のヒグチンスキー氏が手掛けています。ヒグチンスキー氏は、後にバンドの別シングル曲「永遠」のプロモーションビデオの監督も担当しており、彼らと複数回にわたりタッグを組んでいます。

その他の収録曲

本作には、表題曲およびカップリング曲のインストゥルメンタル・バージョンも含まれています。インストゥルメンタル版は、それぞれ「IN FOREST (unvocal version)」、「Lhasa (unplugged) (unvocal version)」として収録されており、ボーカルラインを除いた純粋なサウンドを楽しむことができます。

ジャケットのアートワーク

シングルジャケットには、葡萄のモチーフが用いられています。このデザインには、アルバム『Lhasa』の世界観との関連性が込められています。英語で「葡萄」を意味する「grape」という単語は、その発音の一部が「墓場」を意味する「grave」という単語と似ていることから、この響きの連想を利用して、幻想的で深遠なアルバムの世界観を表現しています。ちなみに、ジャケットに葡萄が採用された理由として、武道館でのライブ追加公演が決定したから、という説が流布することがありますが、これは事実とは異なります。

アルバム『Lhasa』との関連

「IN FOREST」はアルバム『Lhasa』のリリースに先駆けて発表されましたが、シングル表題曲である「IN FOREST」はアルバム本編には収録されませんでした。これは当時のシングルとしては珍しいケースと言えます。しかし、カップリング曲の「Lhasa」は、オリジナルバージョンがアルバムのタイトル曲として収録されており、シングルとアルバムの間には深い繋がりが存在しています。

収録作品

「IN FOREST」および「Lhasa (unplugged)」は、以下のアルバムやベスト盤にも収録されています。

Lhasa: 「Lhasa」のオリジナルバージョンを収録。
Single Collection: 本作の両楽曲を収録。
Sound & Vision THE SINGLES + Selection from Live “DECADE”: 本作の両楽曲を収録。
La'cryma Christi Singles + Clips: 本作の両楽曲を収録。

このシングルは、La'cryma Christiの後期の代表曲として、またアルバム『Lhasa』の世界観への導入としても重要な意味を持つ作品です。

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