IN MOTION

アルバム『IN MOTION』について

1983年3月25日にリリースされた吉田美奈子の通算2作目のライブアルバム『IN MOTION』は、音楽ファンにとって特別な一枚です。このアルバムは、1982年に六本木で行われたライヴの録音を基にしており、さらにホーンセクションのオーヴァーダビングによって豊かな音色に仕上げられています。

アレンジの特徴

本作に収められている楽曲は、オリジナルのアレンジから大胆に変更され、全てが新しい解釈で表現されています。吉田美奈子は、観客の拍手を除外した理由を「楽曲の構造に集中したかったから」と語っています。このアプローチによって、ライブの雰囲気を感じつつも、明確な音楽的な意図を持った作品に仕上がっています。彼女は自身の音楽表現を自由に追求したいと考え、いかに楽曲を再構築するかに挑みました。

吉田美奈子は、アレンジが進む中で「楽器を演奏するメンバーと共に新しい音を作り上げていく楽しさ」を強調しています。このプロセスによって、楽曲はもはや彼女一人のものではなく、演奏したメンバーと共に生み出した共有の成果に変わるのです。

収録曲とその魅力

アルバムには、『TWILIGHT ZONE』から『LIGHT'N UP』まで、様々な楽曲が収録されています。各トラックは、吉田美奈子自身の作詞・作曲によるもので、彼女の音楽的才能がいかんなく発揮されています。トラックリストは以下の通りです：

• - UPTOWN
• - 猫
• - 愛は思うまま
• - LOVIN' YOU
• - 海
• - TORNADO
• - ALCOHOLLER
• - MONSTER STOMP
• - TOWN

各曲は、吉田美奈子の独特な歌詞とメロディーが融合し、聴き手を引き込む魅力を持っています。また、全ての楽曲が清水靖晃によるホーンアレンジが施され、よりダイナミックな演奏に仕上がっています。

リリースとその影響

『IN MOTION』は、LPと同時にカセット版もリリースされ、両者で異なるミックスが施されました。このような異なるアプローチも、ファンにとって聴き応えのある体験を提供しています。また、アルバムのタイトルは、アメリカン・フットボールに由来し、戦略的なラグビーの動きを表現しています。

2015年には、ミキサーの吉田保が手掛けたリマスタリング版がBlu-spec CD2仕様として再リリースされ、当時の演奏を新たに楽しむことができるようになりました。

『IN MOTION』は、吉田美奈子の音楽性が凝縮された作品であり、アレンジの自由度や演奏者との協力が映し出されています。音楽への情熱が詰まったこのアルバムは、彼女の魅力をさらに深く理解するための大切な1枚となっています。

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