Infection/LITTLE BEAT RIFLE

シングル「infection/LITTLE BEAT RIFLE」について

鬼束ちひろが2001年9月7日にリリースしたシングル「infection/LITTLE BEAT RIFLE」は、彼女の5枚目のシングルとして多くのファンに知られています。この作品は、鬼束の才能を活かした楽曲作りが特徴で、作詞と作曲は彼女自身が手掛け、編曲には羽毛田丈史が関わっています。特筆すべきは、初回プレス盤がスリーブケース仕様で発売された点や、収録内容にはインストゥルメンタルが含まれていないことです。

発売と同時発生した事件

「infection」はリリースから4日後、アメリカ同時多発テロ事件が発生したこともあり、衝撃的なタイミングでの公開となりました。特に「感染」という曲名や、「爆破して飛び散った心の破片」という歌詞がこの事件を思い起こさせるものがありました。この影響で、同曲のプロモーションは自粛されることとなり、代わりに収録曲「LITTLE BEAT RIFLE」のプロモーション活動が行われました。なお、新星堂での販売特典としてポストカードが付属されていたことも、ファンには嬉しいポイントでした。

収録曲の特徴

1. infection

この楽曲は、テレビ朝日系のドラマ『氷点2001』の主題歌として使用されています。オーケストラを取り入れたバラードで、鬼束の深い歌声と複雑な感情が反映された作品です。ドラマの制作者からは、「人間の陰の部分・感情を豊かに歌い上げる歌声と世界観が完全にドラマと一致する」と評価されますが、本楽曲はもともとデビュー直後に作られたもので、後にドラマに合わせて提案されたことが興味深いです。

この曲がリリースされた背景には、アメリカでの事件が影響しており、プロモーションは自粛。ドラマ内では使用され続けましたが、アーティストとしての鬼束にとっては、新たな楽曲作りへのきっかけとなりました。プロモーションビデオは、ロンドン近郊で撮影され、彼女自身がタロット占い師からのアドバイスを受けてからの海外での作品制作が影響していると考えられます。

2. LITTLE BEAT RIFLE

「LITTLE BEAT RIFLE」は、テンポの良いカントリーロック調の楽曲で、テレビ朝日系の番組『モノ・好きっ! パラダイス』のエンディングテーマとして使用されました。プロモーションが自粛された「infection」に代わり、この曲で音楽番組に登場することが多くありました。この曲は、発売以前からラジオでプレイされるなど、関心を集めていたため、早くからのプロモーションが行われていました。

プロモーションビデオの撮影は、バッキンガムシャーの美しい場所で行われ、それぞれの撮影場所が映像作品に意味深い背景を与えています。

収録アルバム

「infection」と「LITTLE BEAT RIFLE」は、いずれも様々なアルバムに収録されています。例えば、両曲は『This Armor』や『SINGLES 2000-2003』等に収録されており、鬼束ちひろの音楽の成長を示す重要な作品として位置づけられています。

結論

このシングルは、鬼束ちひろの音楽キャリアにおける重要な一歩であり、同時に時代背景の影響を反映した楽曲が新たな方向性を持つようになったことが感じられる作品です。その後の彼女の音楽に影響を与えたこの作品を通じて、彼女の魅力を改めて評価したいものです。

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