Internet Explorer 11

Internet Explorer 11 (IE11) について



Internet Explorer 11（インターネット エクスプローラー イレブン）は、マイクロソフトが提供していたウェブブラウザ Internet Explorer の最終バージョンです。2013年3月25日に開発中であることが公表され、同年10月17日にWindows 8.1向けに、11月7日にWindows 7およびWindows Server 2008 R2向けに正規版がリリースされました。

開発とリリース



IE11の開発は、Windows 8.1と同時に進められ、開発者向けのプレビュー版が段階的にリリースされました。Windows 8.1には標準装備されており、Windows 7からのアップグレードは、Windows Updateを通じて自動更新として配信されました。Windows 8には提供されなかったため、IE11を利用するにはWindows 8.1へのアップグレードが必要でした。

Windows 11におけるIE11



Windows 11では、Internet Explorer のデスクトップアプリケーションは利用できません。しかし、Internet Explorer のエンジンは搭載されており、Microsoft Edge から Internet Explorer モードが利用可能です。また、スクリプトファイルを使用することでIEを開くことも可能です。

サポート終了と開発終了



事実上の開発終了



Windows 10では、OS標準ブラウザがMicrosoft Edgeへと正式に切り替わり、IEの開発は事実上終了しました。しかし、互換性維持のためIE11はWindows 10にバンドルされ続けていました。Windows 10のサポートポリシー変更により、IE11のサポート期間はOSのサポート期間に依存しなくなりました。ただし、ウェブサイトやソフトウェアの開発現場では、IEへの対応が縮小しており、IEを利用しているユーザーはエラーや表示の不具合に遭遇する機会が増えています。

サポート期限



2016年1月12日、マイクロソフトはIEのサポートポリシーを変更し、各Windowsで利用可能な最新版のみをサポートすることになりました。これにより、IE10以前のバージョンはサポートが打ち切られました。その後もサポートは段階的に縮小され、2022年6月15日にWindows 10 半期チャネルでのIE11デスクトップアプリケーションのサポートが終了しました。ただし、Windows 7(ESU)やWindows 8.1、Windows 10 LTSC、Windows Serverでは引き続き利用可能です。また、Microsoft EdgeのIEモードは引き続きサポートされます。2023年2月14日にはIE11は完全に無効化され、起動するとMicrosoft Edgeにリダイレクトされるようになりました。

Microsoft Edge の Internet Explorer モードは少なくとも2029年まではサポート予定です。企業システムではIE利用が前提となっている場合も多く、情報処理推進機構（IPA）は早めの対応を呼び掛けています。

IE11の特徴



ページ読み込みの高速化



IE11では、ページの読み込み速度向上のため様々な最適化が行われました。Windows 8.1とWindows Server 2012 R2版ではSPDY/3に対応し、より高速な通信が可能になりました。また、キャッシュの活用、ネットワーク処理の最適化、レンダリングの改善などにより、体感的な速度向上も実現しています。

ウェブ標準



IE11は、様々なウェブ標準に対応しました。WebGL、CSS3 Flexbox、W3C Web Cryptography API、HTML5などに対応し、開発者は最新の技術を利用できるようになりました。JavaScriptの対応も強化され、let, const, __proto__, Map, WeakMapといった機能が利用可能になりました。

グラフィックス



IE9からGPUを活用していましたが、IE11ではJPEG画像のデコードにもGPUを利用するようになりました。これにより、JPEG読み込みが高速化され、メモリ使用量も削減されました。

セキュリティ



HTTP Strict Transport Security (HSTS)に対応し、ウェブサイトのセキュリティが向上しました。

その他の変更点



ユーザーエージェントの変更、他のブラウザとの共通化、新しいAPIの追加、削除された機能など、様々な変更が行われました。特に、Windows 7とWindows Server 2008 R2版には含まれていない機能もあります。

不具合



ダイヤルアップ接続環境において、プロキシ設定に関する選択肢が削除されたため、自動接続ができない場合がありました。この問題は、ブロードバンドルーターを中継させることで解決することがありました。

言語



IE11は、95言語に対応していました。

対応言語一覧



(省略)

まとめ



Internet Explorer 11は、その歴史の中で多くの機能追加や改善が加えられましたが、Microsoft Edgeの登場により、その役割を終えました。IE11の歴史は、ウェブ技術の進化とブラウザの変遷を象徴するものであり、その技術はMicrosoft Edgeに引き継がれています。

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