J-7 (航空機)

J-7（殲撃七型）について

J-7（殲撃七型、Jian-7、歼-7）は、中国がMiG-21を基にして開発した戦闘機です。この機体はNATOによってフィッシュカン（Fishcan、魚の缶詰）と呼ばれています。本記事では、J-7の生産経緯、設計、各モデルの特徴、運用国などを詳しく紹介します。

生産の背景

1950年代、ソ連との友好的な外交関係を受けて、中国ではMiG-17をJ-5（殲撃五型）、MiG-19をJ-6（殲撃六型）として国産化しました。その後、MiG-21に興味を示し、技術供与を願っていました。しかし、中ソ関係の悪化によりソ連からの正式な供給は難しくなりました。1961年には、Mo金国防副部長がMiG-21Fに関する技術移転のための協定に署名し、技術情報とともに生産ライセンスを得ることに成功しました。

1962年には、MiG-21F-13のデータとともに少数の完成機が中国に送られ、これを基にJ-7の設計と生産が進められました。初の試作機は1964年に登場し、1966年に正式に制式化されています。

設計と各モデル

J-7

J-7の設計は、MiG-21を元に改良されました。試作機は1964年初頭に生産され、エンジンは国産の渦噴七型（WP-7）を搭載しました。初飛行は1966年、制式化は同年の12月です。実際の運用に際しては、ソ連製MiG-21とはノズルのデザインにわずかな違いがありました。

J-7I

中ソ対立の進展に伴い、J-7の生産は瀋陽から成都と貴州に移され、J-7Iとして改良が施されました。1968年には量産体制が整い、188機が生産され、特に北朝鮮に40機が譲渡されました。

J-7II

J-7Iに続いて、性能向上を目指したJ-7IIが開発されました。主な改良点は、安全性の向上から新型の射出座席を採用したことや、武装の変更です。1978年に初飛行し、1980年には国家航空委員会の制式生産を受けました。

J-7III

J-7IIIは、最新のレーダーを搭載し、80万部品が新しく設計されました。しかし、搭載されたJL-7レーダーは期待された性能には至らず、空軍からは期待外れとされました。

J-7E

失敗を踏まえ、機動性の向上を図ったJ-7Eが1990年に完成しました。この機体はクランクトデルタ翼を採用し、主翼面積も拡大され、特に高い機動性を実現しました。1993年からは空軍や海軍で運用が始まりました。

J-7G

J-7Gは新たな電子機器を搭載し、2002年に初飛行、2004年から部隊配備が開始されました。これにより、迎撃能力が強化されました。

輸出と運用国

J-7は多くの国に輸出され、エジプト、アルジェリア、バングラデシュ、ミャンマーなど、多数の国で運用されています。特にJ-7AやJ-7IIKなど、多様な派生型が存在し、各国による軍事演習や空中戦での活躍が見られました。

まとめ

J-7シリーズは、中国の航空機産業にとって大きな意味を持つ戦闘機です。その開発と派生型の進化を通じて、中国の軍事力が強化された歴史を物語っています。生産は2016年に終了しましたが、現在でも多くの国で運用される重要な機体です。

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