J.BOY (アルバム)

浜田省吾の10枚目のアルバム『J.BOY』は、1986年9月4日にCBS・ソニーからリリースされました。このアルバムは、浜田省吾にとって初のオリコンチャート1位を獲得し、彼のキャリアにおける重要な作品の一つとなりました。

背景

アルバムタイトルの「J.BOY」は、浜田省吾自身が作った言葉で、「Japanese Boy」を意味しています。アルバムのテーマは「アイデンティティーと成長」であり、若者が大人になる過程での葛藤や希望を描いています。浜田は、「J.BOY」発表後、世の中で「J」をつけたがる風潮が強まったと指摘し、ナショナリズムの匂いを感じるとも述べています。

制作

アルバムのトラックダウンはアメリカで行われ、ジャクソン・ブラウンやTOTOなどの作品を手掛けたエンジニア、グレッグ・ラダーニがミックスを担当しました。これにより、アルバムはより洗練されたサウンドに仕上がっています。トラックダウン後、レコード会社のディレクター須藤晃、尾崎豊、辻仁成らと食事に出かけた際、出来上がったばかりのテープを聴いた尾崎が「僕のことを歌ってるみたいだ」と話すと、浜田は「そうだよ。君のことを歌っているんだよ」と答えたというエピソードが残っています。

リリースと再発

『J.BOY』は、LPレコード、CT、CDの3形態でリリースされました。その後、1990年にCDのみで再発売され、1999年にはリマスタリング、リミックス、リアレンジが施されたものがリリースされました。1999年盤には、シークレット・トラックとして「晩夏の鐘」の歌入りバージョンが収録されています。2016年には、『J.BOY』発売30周年を記念して、『"J.BOY" 30th Anniversary Box』と『"J.BOY" 30th Anniversary Edition』が発売されました。

記録

『J.BOY』は、浜田省吾にとって初のオリコンチャート1位を獲得した作品であり、1996年時点での累計売上は942,512組を記録しました。また、『第28回日本レコード大賞』では「優秀アルバム賞」に選出されています。

収録曲

アルバムには、「A NEW STYLE WAR」、「BIG BOY BLUES」、「AMERICA」、「路地裏の少年」、「J.BOY」など、数々の代表曲が収録されています。これらの楽曲は、浜田省吾の音楽性を象徴するものであり、多くのファンに愛されています。

DISC 1
1. A NEW STYLE WAR
2. BIG BOY BLUES
3. AMERICA
4. 想い出のファイヤー・ストーム (A FIRE STOME)
5. 悲しみの岸辺 (THE SHORE)
6. 勝利への道 (A LAST CHANCE)
7. 晩夏の鐘 (THE CHIME OF A LATE SUMMER)
8. A RICH MAN'S GIRL
9. LONELY-愛という約束事 (LONELY)
10. もうひとつの土曜日 (ANOTHER SATURDAY)

DISC 2
1. 19のままさ (NINETEEN)
2. 遠くへ - 1973年・春･20才 (SPRING, TWENTY, 1973)
3. 路地裏の少年 (A BOY IN THE BACKSTREET)
4. 八月の歌 (AUGUST SONG)
5. こんな夜はI MISS YOU (I MISS YOU)
6. SWEET LITTLE DARLIN'
7. J.BOY
8. 滑走路 - 夕景 (RUNWAY LIGHTS-EVENING)

30周年記念盤

30周年記念盤は、2万セット限定生産の『"J.BOY" 30th Anniversary Box』と完全生産限定盤の『"J.BOY" 30th Anniversary Edition』の2形態で発売されました。Boxには、リマスターCD、オリジナル音源LP、ライブ映像DVD、復刻版シングルなどが封入されています。Editionには、リマスターCD、DVD、フォトブックレットが封入されています。

『J.BOY』は、浜田省吾の音楽キャリアを代表する作品であり、時代を超えて多くの人々に感動を与え続けています。

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