JABA関東選抜リーグ

JABA関東選抜リーグとは

JABA関東選抜リーグは、日本野球連盟の関東地区連盟が主催する社会人野球の公式戦の一つです。この大会には、同地区連盟に登録している企業チームが参加しています。社会人野球界では、夏の都市対抗野球大会や秋の社会人野球日本選手権大会という大きな全国大会に加え、春季に各地区連盟が開催する大会が公式戦として位置づけられています。

しかし、これらの限られた公式戦以外では、年間を通じて試合経験を積む機会は多くありません。通常、各都道府県連盟が独自に開催する小規模なトーナメントや、大学チームとの交流試合、あるいはチーム同士の練習試合（オープン戦）が主な実戦の場となっています。特に社会人野球チームが多数存在し、各チームの実力が拮抗しているとされる関東地区においては、より多くの実戦機会と、互いに切磋琢磨できる環境が求められていました。

このような背景から、選手のレベルアップとチーム強化を図る目的で、1980年に本大会が創設されました。参加する企業チーム（専門学校チームは含まれません）は、実力等を考慮して三つのブロックに分けられます。大会は年間を通じてリーグ戦形式で行われ、前期は例年4月から6月にかけて、後期は9月と10月に開催されます。試合会場は、関東エリア内の参加チームが活動拠点とする各都県にある野球場が使用されることが多く、主に平日に行われます。観戦に関しては、多くの場合、入場料は無料となっています。

リーグ戦を勝ち抜いた上位チームは、年間チャンピオンを決定するための決勝トーナメントに進出します。大会創設当初はリーグ戦のみでしたが、1998年からは各ブロックの上位チームが、千葉県野球連盟が主催するJABA千葉市長杯争奪野球大会に出場し、そこで優勝を争う形式となりました。しかし、地区連盟主催のリーグ戦の締めくくりを県連盟主催の大会で行うという構造は、開催形態としてやや不自然であるという声もありました。

この状況を改善するため、2011年からは新たに「JABA関東選手権大会」が創設されました。これにより、JABA関東選抜リーグのリーグ戦で上位に入ったチーム、具体的には上位8チームがこのJABA関東選手権大会に進出し、そこでトーナメント方式により年間優勝チームが決定される現在の形式が確立されました。これに伴い、それまで決勝の舞台となっていたJABA千葉市長杯争奪野球大会は廃止されています。

近年では、社会情勢の影響により、2020年および2021年の大会が中止される事態も発生しました。それでも、JABA関東選抜リーグおよびそれに続くJABA関東選手権大会は、関東地区の社会人野球チームにとって、年間を通じて高いレベルで実戦経験を積み、技術や戦術を磨くための重要な大会として位置づけられています。

以下に、過去の歴代優勝チームを記します。

第1回（1980年）: 東芝
第2回（1981年）: 日本通運
第3回（1982年）: プリンスホテル
第4回（1983年）: 東芝
第5回（1984年）: 電電東京
第6回（1985年）: 東芝
第7回（1986年）: NTT関東
第8回（1987年）: 東芝府中
第9回（1988年）: 本田技研
第10回（1989年）: 本田技研
第11回（1990年）: 富士重工業
第12回（1991年）: 熊谷組
第13回（1992年）: 優勝チームなし
第14回（1993年）: 川崎製鉄千葉
第15回（1994年）: 日立製作所
第16回（1995年）: 東芝
第17回（1996年）: NTT関東
第18回（1997年）: いすゞ自動車
第19回（1998年）: NTT関東
第20回（1999年）: 日石三菱
第21回（2000年）: 日産自動車
第22回（2001年）: 日本通運
第23回（2002年）: 新日本製鐵君津
第24回（2003年）: 富士重工業
第25回（2004年）: 富士重工業
第26回（2005年）: シダックス
第27回（2006年）: 東京ガス
第28回（2007年）: セガサミー
第29回（2008年）: JFE東日本
第30回（2009年）: 日産自動車
第31回（2010年）: JFE東日本
第32回（2011年）: セガサミー
第33回（2012年）: JR東日本
第34回（2013年）: 富士重工業
第35回（2014年）: Honda
第36回（2015年）: 日本通運
第37回（2016年）: Honda
第38回（2017年）: 日立製作所
第39回（2018年）: 明治安田生命
第40回（2019年）: NTT東日本
2020年: 中止
2021年: 中止
* 2022年: 日本通運

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