JAPANESE DREAM

JAPANESE DREAM（ジャパニーズ・ドリーム）

『JAPANESE DREAM』は、1992年4月から2006年3月までFM NACK5で放送されていた深夜ラジオ番組です。音楽評論家でプロデューサーの富澤一誠がパーソナリティを務め、1994年からはα-STATIONでも同時ネットを開始。ZIP-FM、CROSS FM、FM NORTH WAVEなど、最大5局で放送される人気番組でした。

番組の概要

この番組の特徴は、毎月リリースされる全ての邦楽シングルをオンエアし、リスナーの投票によって楽曲のランキングを決定する点にありました。リスナーは、一般リスナーと登録制の専属リスナー（ジャッジマン）で構成され、彼らの投票によって月間ランキング「JDチャート」が作成されました。

月間ランキング1位に輝いた楽曲は「JDグランプリ」として、翌月のNACK5のパワープレイ曲となり、局全体でプッシュされました。このグランプリ受賞や上位入賞がきっかけで、ブレイクを果たしたミュージシャンも少なくありません。また、番組初期のリスナーだったミュージシャンが、後にグランプリを受賞するケースもありました。

1993年10月には、アマチュアミュージシャン向けの参加企画「JDチャレンジャー」がスタート。この企画は1995年10月に「MUSIC CHALLENGER」として独立し、多くのメジャーデビューアーティストを輩出しました。

JDチャートの特徴

リスナーの投票によって作成されるJDチャートは、楽曲に対する純粋な評価が反映される点が特徴でした。オリコンチャートやCDショップの売上ランキング、テレビ・ラジオのリクエストチャートなどとは異なり、露出度や知名度、人気、ファン層といった要素に左右されにくい、リスナーの生の評価が反映されるランキングとして、音楽業界からも注目されていました。

月間チャートのグランプリ曲の中から、年間を通じて最も支持された楽曲は「スーパー・グランプリ」として表彰されました。

番組システムと投票方法

番組は1ヶ月を1サイクルとして進行し、エントリー週に対象楽曲をオンエア。対象となるのは、番組側が選んだポップス、ロック、ニューミュージックの新譜で、演歌や明らかなアイドルソングは除外されていました。また、レコード会社がオンエア解禁日を設定している場合、解禁前の楽曲は対象外でした。

各楽曲はフルコーラスではなく、2～3分程度のオンエア。対象曲数が多い時期には、1曲あたり1分半程度に短縮されることもありました。番組初期は月初の週がエントリー週でしたが、後に2～3週に分けてエントリー楽曲をオンエアする形式へと変更されました。

エントリー週の投票で選ばれた上位楽曲は、翌週以降に再度オンエアされ、投票コメントも合わせて紹介されました。そして、月末には上位10曲が発表されました（番組開始当初は20曲）。

投票は、当初はハガキで行われていましたが、ネット局拡大に伴い電話投票が導入され、番組後期には専用ウェブサイトからの投票となりました。不正投票を防ぐため、放送中に発表されるキーワードまたはキーナンバーを、投票時に記述・入力する必要がありました。

番組後期には、放送中に投票結果を集計し、発表するスタイルが採用されました。

ミュージック・ジャッジマン

番組専属リスナーである「ミュージック・ジャッジマン」には、オンエア予定曲リストや前週の投票結果、投票コメントなどを掲載した機関紙「JD TIMES」が郵送されていました。また、番組初期には投票用ハガキや音楽ギフトカード、後期にはグランプリ受賞ミュージシャンのサイン入り似顔絵コピーが支給されました。

放送時間

毎週土曜日 26:00～29:00（午前2時～午前5時） - 1992年4月～1992年9月
毎週土曜日 24:00～29:00（午前0時～午前5時） - 1992年10月～1995年9月
毎週土曜日 24:00～27:00（午前0時～午前3時） - 1995年10月～2006年3月

α-STATIONでの放送時間

毎週日曜日 21:00〜26:00（午前2時） - 1994年4月～1994年6月
毎週日曜日 22:00〜27:00（午前3時） - 1994年7月～1995年3月
毎週土曜日 24:00～29:00（午前0時～午前5時） - 1995年4月～1995年9月
毎週土曜日 24:00～27:00（午前0時～午前3時） - 1995年10月～ネット終了時

番組の流れ

1. オープニング：富澤一誠が番組の理念を語る
2. 前月のグランプリ受賞曲をフルコーラスでオンエア
3. 富澤一誠とアシスタントによるオープニングトーク
4. 番組システムおよびJDチャートに関する説明
5. その週の対象曲のオンエアと解説
6. ゲストコーナー（生出演または収録）
7. 週ごとの企画（特定ミュージシャンの特集など）
8. 各種告知コーナー
9. （番組後期のみ）オンエアを受けての投票結果発表
10. 「富澤一誠の俺が言う」：エンディング前のコラムコーナー
11. エンディング

アシスタント

中村貴子 (1992年4月～1994年9月)
増田典子 (1994年10月～1995年9月)
長谷川雄啓 (1995年10月～2006年3月)
ユキ・ラインハート (1997年4月～1997年9月)
藤沢香苗 (1997年10月～2001年9月)

歴代JDグランプリ受賞曲（一部抜粋）

1992年4月: 君がいるだけで（米米CLUB）
1994年5月: イノセントワールド（Mr.Children）
1995年3月: ロビンソン（スピッツ）
1996年3月: チェリー（スピッツ）
1997年5月: ひだまりの詩（Le Couple|Le_Couple）
1998年1月: 長い間（Kiroro）
1999年10月: 本能（椎名林檎）
2000年1月: TSUNAMI（Southern All Stars）
2001年1月: 眩暈（鬼束ちひろ）
2002年5月: 島人ぬ宝（BEGIN）
2003年8月: 夏の終わり（森山直太朗）
2004年4月: so much love for you（KOKIA）
2005年4月: 全力少年（スキマスイッチ）
2006年3月: ラハイナ（DEPAPEPE）

刊行物

JD TIMES：FAXサービスで提供された機関紙
JD WEEKLY：1994年～1995年に発行された週刊誌
JD MONTHLY：1996年から発行された月刊冊子
シンコーミュージックよりムック本が数冊発行

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