JAZZ AUDITORIA in WATERRAS

JAZZ AUDITORIA in WATERRAS

東京・御茶ノ水エリアにある複合施設「ワテラス」にて、例年4月下旬に開催される入場無料の音楽祭、「JAZZ AUDITORIA in WATERRAS」について記述します。

開催背景と特徴

この音楽祭は、国連教育科学文化機関（ユネスコ）が推進する「国際ジャズ・デー」（毎年4月30日）の理念に深く賛同し、その日本における取り組みの一つとして2013年に始まりました。ジャズという音楽を通じて世界の多様な文化に対する理解と相互交流を深めるという国際的な理念と連動し、最も特筆すべき特徴は、すべての人々に入場無料で開かれている点です。これにより、普段ジャズに馴染みのない人々も含め、多くの人が気軽に世界レベルの演奏に触れる機会を得ています。

イベントの運営は、外務省や文部科学省、東京都といった国の機関および自治体からの強い後援を受けています。企画制作は、著名なジャズクラブ「ブルーノート東京」をはじめとするライブ会場を手掛けるブルーノートジャパンが担当。この強力なバックアップ体制と、長年にわたり蓄積されたノウハウにより、国内外から招聘されるアーティストは一流揃いであり、質の高い音楽体験が保証されています。

会場と歴史

音楽祭が始まって以来、主な会場は「ワテラス」敷地内に設けられる特設ステージが中心となってきました。加えて、御茶ノ水エリアの複数の施設や広場などもサテライト会場として活用され、街全体がジャズの響きに包まれるような一体感が生まれていました。

しかし、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックは、この音楽祭にも大きな影響を与えました。2020年から2022年にかけての期間は、従来の対面形式での開催が困難となったため、「JAZZ AUDITORIA ONLINE」と銘打ち、オンラインプラットフォームを中心とした形式へと形を変えて実施されました。これにより、物理的な制約を超えて、より多くのリスナーに音楽を届ける試みが行われました。

参加アーティストたち

本イベントの最大の魅力の一つは、その出演アーティストの豪華さです。これまで、日本ジャズ界を牽引してきたレジェンドから、国内外で活躍する中堅、そして新進気鋭の若手まで、幅広い世代とスタイルのミュージシャンが登場しました。国内からは、小曽根真、渡辺貞夫、日野皓正、山下洋輔、小野リサなど、ジャズ界を代表する面々が登場。海外からも、グラミー賞受賞アーティストであるハービー・ハンコックやマーカス・ミラー、ナイル・ロジャース、ラリー・カールトン、ミシェル・カミロ、チューチョ・バルデースといった世界的なプレイヤーが招聘されています。また、ブルーノート東京オールスタージャズオーケストラと明治大学BIG SOUNDS SOCIETY ORCHESTRAは、毎回出演するレギュラーバンドとしてお馴染みです。

関連

企画制作を行うブルーノートジャパンや、後援・協力およびレギュラー出演で深く関わる明治大学は、この音楽祭を支える重要な存在です。また、イベントの根幹にあるのは、ユネスコが提唱する「国際ジャズ・デー」の精神です。これにより、単なる音楽イベントにとどまらず、文化交流と理解促進の場としての側面も持ち合わせています。

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