JL-9 (航空機)

教練9型（JL-9）: 中国のジェット練習機の概要

教練9型（JL-9）は、中国貴州飛機工業公司により設計された高度なジェット練習機で、愛称は「山鷹」と呼ばれています。この機体は、第4世代のジェット戦闘機パイロットの養成を目的に開発されたもので、型番は教練のピン音「JiaoLian」から来ています。

開発の背景

JL-9は、従来のJJ-7複座練習機が時代遅れとなり、より現代的な訓練機が必要とされる中で誕生しました。開発においては、J-7戦闘機（MiG-21の中国版）およびJJ-7を基にしてリスクを軽減しながら進められました。2000年末には風洞実験が完了し、詳細設計が完了、2003年12月13日には試作機が初めて飛行しました。この機体は、850万ドルという競争力のある輸出価格も持っています。

主な特徴

JL-9は、J-7のE型エンジンである渦噴-13を搭載し、その外観はJJ-7に似つつも、主翼は他の型とは異なりダブルデルタ翼が採用されています。形状の変更の一環として、インテークが胴体の両側面に移動されています。また、複座式のコックピットは視界を考慮して後席が高く配置されており、最新のグラスコックピット技術も活用されています。

武装面では、23mmの機関砲を標準装備し、兵器を搭載するためのハードポイントが胴体下に1箇所、主翼下に4箇所設置されています。これにより、空対空ミサイルやロケット弾ポッドを含む多様な兵装の運搬が可能です。機首には火器管制レーダーの搭載も選択肢に含まれています。

派生型とそのバリエーション

JL-9には、海軍向けの艦上型であるJL-9G/JT-9が存在します。この型は、2枚のベントラル・フィンを省きアレスティング・フックを装備しており、艦上での運用を考慮されています。また、2018年には「FTC-2000G 神鷹」として、中国人民解放軍向けに新型の中高等練習機及び軽戦闘攻撃機としての発展が見られました。これにより、夜間運用や他の軍事任務においても能力が強化されています。

運用国

教練9型は主に中華人民共和国で運用されています。また、中国人民解放軍空軍や海軍において、それぞれ30機と28機が配備されています。さらに、ミャンマーやスーダン等の他国にも数機が納入されています。

諸元

• - 乗員: 2名（練習生1名、教官1名）
• - 全長: 14.555 m
• - 全幅: 8.32 m
• - 全高: 4.105 m
• - 標準重量: 7,800 kg
• - 最大離陸重量: 9,800 kg
• - 最大速度: マッハ1.6
• - 航続距離: 1,600 km（機内燃料のみ）、2,500 km（増槽装備時）
• - 最大上昇率: 260 m/s
• - 実用上昇限界高度: 16,000 m
• - エンジン: 渦噴13F型（WP-13F）ターボジェット×1
• - 武装: 23mm機関砲、PL-8およびPL-9空対空ミサイル、各種爆弾およびロケット弾ポッド（最大2,000 kg）

このように、JL-9はその高い性能と多様性から、今後もパイロット訓練や軍事活動において重要な役割を果たすことが期待されています。

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