JNC

JNC株式会社の概要

JNC株式会社（ジェイエヌシー）は、日本の化学メーカーであり、チッソ株式会社の完全子会社です。2011年1月に設立された後、3月31日にチッソから実質的に事業を受け継ぎ、翌日の4月1日から営業を開始しました。社名には「Japan New Chisso」という意味が込められています。また、JNCはみどり会の会員企業であり、三和グループの一員でもあります。

事業内容

JNCは、チッソの水俣病補償業務以外の全事業を引き継いでいます。具体的には、化学製品の製造・販売を行っており、事業譲渡により多数の関連企業がJNCの傘下に所属しています。また、チッソ本体から約700名の従業員がJNCに転籍しましたが、水俣病患者団体からは、この事業譲渡が責任の切り離しであるとの批判も寄せられています。

拠点

JNCの本社は東京の千代田区大手町に位置する「新大手町ビル」に入居しており、ここはチッソの東京本社と同じ場所です。また、大阪事務所は大阪市北区中之島の「中之島ダイビル」にあり、こちらもチッソ及び旭化成の大阪拠点と親和性を持っています。サプライチェーンの重要な地点として、熊本県水俣市の水俣製造所が製造拠点となっており、主要な生産活動がここで行われています。

事業計画

チッソの事業再編計画においては、JNCグループは、2011年度に250億円から2014年度の280億円の連結経常利益を見込んでいます。この利益の一部は株主であるチッソに毎年80億円程度の配当金として支払われる予定です。チッソはこの資金を水俣病関連の補償及び公的借入金の返済に充てる方針です。

将来的に、チッソは環境大臣の承認を受けた上でJNCの経営権を売却し、売却による資金で借入金を返済するとともに、水俣病被害者支援団体への資金提供も計画しています。

また、JNCは2014年度までの5年間に、液晶ディスプレイ用材料の生産能力を増強する予定で、新規事業としてプリンタブルエレクトロニクス用の材料やリチウムイオン二次電池関連の素材なども手掛ける計画です。安定した収益を確保するため、化学品や繊維、肥料事業も強化していく方針です。さらには、水力発電事業を継続して行い、安定した収益源を確保することになります。

沿革

JNCの起源は1906年に遡ります。曾木電気株式会社という企業が設立され、これがJNCの前身となります。2009年7月に水俣病関連の特別措置法が公布され、その経緯からチッソが事業を再編することになりました。2011年1月12日にJNC株式会社が設立され、事業譲渡が行われた後に営業を開始しました。当社については、今後の発展が期待されています。

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