JNNニュース22プライムタイム

JNNニュース22プライムタイムについて

『JNNニュース22プライムタイム』は、1987年10月5日から1988年9月30日まで、TBS系列で放送されたニュース番組です。番組名としては『ニュース22プライムタイム JNN』が使われ、略称として『ニュース22プライムタイムJNN』とも呼ばれました。この番組は「報道のTBS」を掲げ、テレビ朝日の『ニュースステーション』を打倒することを目指してスタートしました。22時からの放送時間帯は、プライムタイムを意識したもので、当時の日本のテレビニュースの新しい形を提示しようとしました。

番組の特徴と背景

『JNNニュース22プライムタイム』が初めて放送された金曜日の22時台には『Nステ』の放送はなかったため、他のニュース番組とは異なる新しい方向性を打ち出しました。メインキャスターには、当時TBSと契約していた元NHKアナウンサーの森本毅郎氏と、前番組から続投した三雲孝江氏が起用されました。サブキャスターには中村秀昭、スポーツキャスターには松宮一彦、コメンテーターには嶌信彦を起用し、各分野での専門性を持つスタッフが集まりました。

しかし、放送が進むにつれて視聴率は伸び悩み、特に『Nステ』との競争に敗れることが多く見られました。また、キャスターの森本氏はプライベートの問題で謹慎を余儀なくされる時期があり、スポンサーであるリクルートコスモスが関連する事件に巻き込まれるなど、厳しい状況が続きました。こうしたトラブルによって、番組はわずか1年で放送を終了する運命に見舞われました。

番組終了後の展開

放送終了後、TBSは新たに『JNNニュースデスク'88』『JNNニュースデスク'89』といった形に衣替えしますが、視聴率は低空飛行のままでした。このことから、TBS系列は22時台のニュース番組からの撤退を決定します。この撤退は、ニュース番組のフォーマットや視聴者のニーズにどのように応えていくのかという課題を突き付けるものでした。

キャスター人選の舞台裏

本番組のキャスター人選に関しても興味深いエピソードがいくつか存在します。実は、初期の段階で黒柳徹子をキャスターとして起用する話がありましたが、彼女が既存のレギュラー番組を降板することに難色を示したため、この話は立ち消えとなりました。さらに、当時の朝日新聞社員であった筑紫哲也にもキャスター就任の打診があったものの、朝日新聞の反発を受け、最終的には実現しませんでした。

このキャスターの選考過程には非常に大きな重圧がかかっており、結果的に筑紫氏はニューヨークに転勤することになった後、再度TBSからの打診を受け入れて『筑紫哲也 NEWS23』がスタートすることになりました。

出演者と放送時間

この番組に出演した主なキャスターとしては、メインキャスターに森本毅郎氏と三雲孝江氏、サブキャスターには中村秀昭氏がいて、スポーツキャスターとして松宮一彦氏が活躍し、コメンテーターには嶌信彦氏が参加していました。また、桂三枝氏などがゲストとして登場し、ニュースに対するさまざまな視点を提供しました。

放送は平日の22:00から22:54まで行われましたが、水曜日と金曜日にはナイター中継が続いた場合、開始が最大30分遅れることもありました。

まとめ

『JNNニュース22プライムタイム』は、短い放送期間の中で、さまざまな環境要因や社内外のトラブルに直面しながら、ニュース番組の新しい形を模索していたことがわかります。その挑戦は成功とは言えませんでしたが、日本のニュース報道の歴史の中において、一定の影響を残したものと言えるでしょう。

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