JPモルガン・チェース・タワー

JPモルガン・チェース・タワーの概要

JPモルガン・チェース・タワー（JPMorgan Chase Tower）は、アメリカ・テキサス州ヒューストンに立地する超高層ビルです。地上75階、高さは305メートル（1002フィート）に達し、テキサス州内では最も高い建物とされています。さらに、5面体の構造を持つ建物としては、世界最高の高さを誇ります。

このタワーは、元々「テキサス・コマース・タワー」として知られており、1981年にトラヴィス・ストリート600番地にて完成しました。設計は著名な建築家イオ・ミン・ペイが手掛け、彼の事務所である「イオ・ミン・ペイ・アンド・パートナーズ」と、地元の設計事務所「3D・インターナショナル」が共同で携わっています。また当初の計画では80階までの建設が予定されましたが、近隣にあるウィリアム・P・ホビー空港との関係で、連邦航空局の指摘により建物の高さが制限され、現在の構造となりました。

タワーが完成した際には、カリフォルニア州のAONセンターを抜き、ミシシッピ川以西において最も高い建物として注目を集めました。しかし、1990年に完成したロサンゼルスの「ライブラリータワー」ことU.S.バンクタワーによって、この記録は破られることになります。

地下街との接続

JPモルガン・チェース・タワーは、ヒューストンのダウンタウン地下街（Houston Downtown Tunnel System）とも接続しており、この地下街では25の区画を結ぶ温度調節された歩行者用通路を楽しむことができます。この利便性が、タワーの魅力の一つとなっています。

ロビーのデザインは、タワーの高さや隣接するジョーンズ・ホールの柱廊との調和を考慮して構成されています。ロビーには5階建てのガラスで覆われた明るい空間が広がり、スチール製のスペースフレームによって支えられています。これにより、ロビーは開放感あふれる明るい空間に仕上がっています。

スカイ・ロビーの特長

「展望台」として知られるスカイ・ロビーは60階に位置しており、さらに上階（61階から75階）への乗り換え地点となっています。このロビーは、平日の午前8時から午後5時まで一般に公開され、多くの人々に利用されています。高速エレベーターを利用することで、ヒューストン市内を一望できる貴重な体験が得られます。

さらに、タワーのエントランスには、著名なアーティストであるジョアン・ミロによる色とりどりの彫刻が展示されており、訪れる人々に芸術的な美しさを提供しています。

主要なテナントと運営

JPモルガン・チェース・タワーは、依然として「テキサス・コマース・タワー」と呼ばれることもありますが、現在はJPモルガン・チェース社のオフィスが主要なテナントとして入居しています。この企業はニューヨーク本社での多くの業務をヒューストンに移しており、タワーのオーナーは当初の建設会社であるハイネス社が運営を行っています。その一方で、駐車場などの施設は引き続きハイネス社によって運営されています。

このように、JPモルガン・チェース・タワーは、ヒューストンのシンボル的存在として多くの人々に親しまれ、経済活動の重要な拠点となっています。

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