JP (ものまねタレント)

JPとは

JP（ジェーピー）は、1983年7月31日生まれ、滋賀県東近江市（旧八日市市）出身のものまねタレントです。本名は前坂淳平（まえさか じゅんぺい）。血液型はO型。現在の所属事務所は研音です。幅広いジャンルのモノマネを得意とし、特にダウンタウンの松本人志のものまねで注目を集め、近年ブレイクを果たしました。

幼少期から学生時代

三兄弟の長男として生まれたJPは、幼い頃から祖母に可愛がられ、実家には祖母が世話をする牛や豚、鶏といった動物たちがいました。小学校時代にはいじめを経験し、学校生活になじめず友人ができませんでしたが、帰宅後は動物たちに向かってモノマネを披露していたといいます。この経験が、彼の芸の原点の一つになったと考えられます。

中学校に入ると、状況を変えようと先生のモノマネで周囲を笑わせるようになり、これがきっかけでいじめが減少しました。しかし、同じネタでは飽きられるため、ウルトラマンや長瀬智也など、モノマネの対象を広げていきました。勉強は得意ではなかったものの、掃除時間だけは真面目に取り組む姿勢が評価され、「掃除推薦」という形で地元の八日市南高校農業科に進学することができました。

高校時代は、周囲の環境になじめず、好きな音楽（ビジュアル系）のCDを壊されたり、特定の曲（山嵐の「BOXER'S ROAD」）の歌詞を覚えさせられたりといった経験をしました。クラスでは、人気者がするような先生のモノマネではなく、美術の先生といったニッチな対象を選び、教壇ではなく掃除用具入れの前で友人たちと披露するなど、独自の道を模索していました。学生時代は特定のロックバンドやゲームにも傾倒していました。

芸人への道のり

高校卒業後、「モノマネができれば声優になれるのでは」と考え、声優養成所に2年間通いましたが、演技の仕事には向かないと感じて断念しました。しかし、養成所での環境は心地よかったようです。

その後、吉本総合芸能学院（NSC）大阪校に27期生として入学。主に漫才に取り組みつつも、モノマネも継続し、特定のシチュエーションを模倣するスタイルのモノマネを得意としました。NSCで出会った高田健志とコンビ「プリティプリンセス」を結成し、コンテストで実績を残しましたが、ある大会の決勝当日に相方を残して失踪するという形でコンビは解散。同時期にNSCも中退しましたが、芸人を続ける意思は変わりませんでした。

上京資金を貯めるため、半年間工場勤務を経て滋賀から東京へ。ワタナベエンターテインメントの養成所1期生募集を知り入学しました。ここでは中退することなく卒業し、在学中にテレビ番組のオーディションに合格。「GACKTの砲丸投げ」というネタで、同期の中で最も早くテレビ出演を果たしました。

プロデビューからブレイクへ

ワタナベエンターテインメントに一時仮所属していましたが、「モノマネの売り方が分からない」という理由で正式所属には至らず、2002年にフリーのものまねタレントとして活動を開始しました。当初はテレビ出演の機会に恵まれず、ショーパブなどで実力を磨きました。この間、『R-1グランプリ』にも出場し、2007年には準決勝まで進出しています。

フリーデビューから約10年を経て、松本人志（ダウンタウン）のものまねなどが徐々にテレビで注目されるようになり、『ものまねグランプリ』など、ものまね番組の常連となっていきます。2016年には『ダウンタウンDX』で、初めてダウンタウン本人の前でモノマネを披露しました。

2018年12月1日、研音に所属。俳優が多く所属する同事務所において、ものまねタレントが所属するのは異例の出来事でした。所属後も、長瀬智也が会いたい芸人としてJPを指名し共演したり、松本人志や間宮祥太朗とCMで共演したりとメディア露出はありましたが、直接的な仕事の増加には繋がらなかったといいます。

『ワイドナショー』『ラヴィット!』でのブレイク

JPが広く認知される大きなきっかけとなったのは、2022年に入ってからの出来事でした。同年1月30日放送のフジテレビ系『ワイドナショー』で、新型コロナウイルス濃厚接触の疑いで松本人志が番組を欠席した際、松本本人のTwitterでの指名を受け、急遽代役として出演。東野幸治の代役を務めた原口あきまさとともに、オープニングでアドリブに近いパロディコントを披露し、大きな話題を呼びました。

さらにそのわずか4日後、同年2月3日にはTBS系『ラヴィット!』で、こちらも新型コロナウイルス感染で欠席したMCの麒麟・川島明の代役として出演。立て続けに人気番組のMC代役という大役を務め、その対応力とモノマネの精度が絶賛され、一躍注目を集める存在となりました。

このブレイクを受け、同年12月5日に発表された「Yahoo!検索大賞2022」では、お笑い部門で1位を獲得。その認知度と人気が確固たるものとなりました。同年12月9日には『ものまね王座決定戦』に初出場し、高得点をマークしましたが、惜しくも決勝進出は逃しました。

人物・レパートリー

JPのモノマネレパートリーは非常に幅広く、人間の声帯模写に留まらず、動物の鳴き声や効果音など、多彩な音を再現できます。幼少期におばあちゃん子だった影響から、『必殺シリーズ』や『暴れん坊将軍』といった時代劇・刑事ドラマをよく見て育ち、初めてモノマネした有名人は『裸の大将放浪記』の芦屋雁之助（山下清）だったそうです。

また、英語が苦手な一面があり、その様子がテレビ番組で取り上げられたこともあります。

主な出演

テレビ番組では、『ものまねグランプリ』や『千原ジュニアの座王』、『今夜はナゾトレ』などに不定期出演。2022年10月からは初の冠番組『どどどどっとJP』（さくらんぼテレビ）がスタートしました。ドラマでは、『私のおじさん〜WATAOJI〜』、『トクメイ!警視庁特別会計係』、『正直不動産ミネルヴァ Special』など、俳優としても多数の作品に出演しています。映画やラジオ番組、テレビCM（タウンワークなど）への出演経験もあります。

ブレイクを経て、ものまねタレントとしてだけでなく、幅広い分野でその才能を発揮し、活躍の場を広げています。

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