JR九州ファーム

JR九州ファーム株式会社について

JR九州ファーム株式会社（ジェイアールきゅうしゅうファーム）は、九州旅客鉄道（JR九州）に属するグループ企業であり、主に農業と畜産業において自社ブランド商品の生産と販売を行っています。2015年に設立されたこの会社は、九州各地に分散していた運営企業を統合した結果、大分県大分市での初期のニラの栽培が契機となり、九州全域での営農活動を推進してきました。

会社の設立と沿革

JR九州ファームは2010年4月、大分県大分市に設立された「株式会社JR九州ファーム大分」の農業活動から始まりました。翌年には、全国各地での農業活動を拡大し、2015年7月には九州グループの農業および畜産部門を統合して株式会社JR九州ファームとしての体制を確立しました。現在、八つの農場で活動しており、それぞれの農場で異なる作物の栽培が行われています。これには、元駅長や元運転士など、JR九州の現業からの転身者が多く参加しています。

会社の設立にあたっては、農業に対する新たな取り組みの一環として、大分県から経営企画部に打診があったことが背景にあります。これにより、運営企業が統合され、スムーズな営農活動を実現する基盤が整えられました。さらに、直売所「八百屋の九ちゃん」の運営を通じて、地元の新鮮な農産物を直接消費者に届ける取り組みも行っています。

地域貢献と事業内容

JR九州ファームでは、耕作放棄地やタバコ農家の廃業農地を利用し、土地の賃貸借によって農場を運営しています。これにより地域の資源を活用しつつ、持続可能な農業の実践を目指しています。農場で生産される農作物は、JR九州グループの飲食店や宿泊施設、さらには「ななつ星in九州」などの高級旅館でも提供されています。また、直営の八百屋「八百屋の九ちゃん」では、自社で生産した農産物に加え、九州産の他の青果物も取り扱い、ネット販売も行なっています。

同社は、その地域の特性に応じた農業品目を選定し、さらにブランド鶏卵「うちのたまご」の生産を手掛けるなど、多角的なアプローチで展開しています。

農場の概要

現在、JR九州ファームの主要な農場は以下の通りです。どの農場も特定の農作物に特化した生産を行っており、地域特産品としての価値を高めています。

• - 大分農場（大分市）

- 面積: 2.9ha
- 作物: ニラ

• - 臼杵農場（臼杵市）

- 面積: 5.1ha
- 作物: さつまいも

• - 新富農場（新富町）

- 面積: 1.7ha
- 作物: ピーマン

• - 玉名農場（玉名市）

- 面積: 2.3ha
- 作物: ミニトマト

• - 宇土農場（宇土市）

- 面積: 3.1ha
- 作物: ネーブルオレンジ、デコポン、温州みかん

• - 糸島農場（糸島市）

- 面積: 0.6ha
- 作物: 大根、人参、レタス、キャベツ

• - 松浦農場（松浦市）

- 面積: 5.3ha
- 作物: ブロッコリー、アスパラガス

• - 内野宿養鶏場（飯塚市）

- 鶏舎数: 6舎（約9600羽）
- 作物: うちのたまご（鶏卵）

これらの取り組みを通じて、JR九州ファームは地域の農業振興に寄与し、新鮮で高品質な農産物の提供を目指しています。

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