JR北海道キハ160形気動車

キハ160形気動車について

概要

キハ160形気動車は、1997年にJR北海道が導入した一般用の気動車です。この車両は、日高本線の通常列車と快速列車の運行に使用されています。導入の背景には、1996年に発生した踏切脱線転覆事故があり、これによって稼働できなくなったキハ130形気動車の代替車両として製造されました。

新潟鐵工所で1両が製造された際には、同社が開発した設計基準に基づいており、キハ130形の運用上の問題を改善する仕様が導入されています。初めはキハ130形との共通運用が行われましたが、この車両は2007年にハイブリッド動力の試験車両「ITT」に改造され、環境対策と性能向上のための実験が行われました。しかし、この試験は2013年に終了し、この年に廃車となりました。

仕様・構造

キハ160形気動車は、全長18mの普通鋼製車体を持ち、両端に運転台を配置した両運転台式です。車体の設計は、当時同時期に製造された津軽鉄道の津軽21形に似ており、運転台周辺の構体が強化され、プロテクタが装備されています。

正面には3つの窓があり、中央には貫通扉が設けられています。また、客用扉は1000mm幅の片開き式引戸が両側にあり、運転席には運転士専用の扉があります。外装色は、全体を白色で統一し、ラベンダーバイオレットの帯を施したデザインです。客室内はセミクロスシート配置で、110名の定員を有し、そのうち42名は座席にすわることができます。

機関・駆動系

この車両は、直列6気筒の直噴式ディーゼルエンジンを搭載し、動力は液体変速機を介して車輪に伝達されます。また、動力台車は軽量で構造的な安定性を持たせた設計となっています。

ハイブリッド動力化

キハ160形は、2007年にハイブリッド動力の試験車両に改造されました。この改造では、ディーゼルエンジンと電動機を組み合わせたパラレル方式のハイブリッドシステムが導入されました。これにより、運転時の効率が向上し、環境への配慮も図られています。

電動機は発電と変速制御を行う機能を持ち、各運転モードに応じてエンジンおよび電動機の接続が自動的に切り替わります。この試験では、ハイブリッド駆動の効率性や動力伝達の改良が確認されました。

運用の変遷

キハ160形は最初日高線運輸営業所に配置され、1997年6月から日高本線で使われていました。この間、キハ130形との共通運用が行われましたが、キハ130形が全車廃車となった2002年以降も運用が継続されました。2007年にハイブリッド化が行われた後、継続的に機能確認や試験走行が行われ、北海道洞爺湖サミットでは実際の走行を行いました。しかし、2013年には廃車となり、その存在が消えました。これにより得られたデータは、将来の車両開発に貢献しました。

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