津軽鉄道

津軽鉄道株式会社の概要

津軽鉄道株式会社（つがるてつどう）は、青森県の津軽地方に鉄道路線を運営している鉄道会社です。一般的に「津鉄（つてつ）」とも呼ばれています。社の本社は五所川原市の津軽五所川原駅前に位置し、地域の農協や沿線の住民が株主として関与しています。

同社は、営業キロ20.7kmにわたる津軽鉄道線を経営しており、さまざまな副業を通じて収益を拡大しています。弁当やどら焼き、ポテトチップスといった加工食品も手掛けており、独自の地域活性化に努めています。1934年から1955年にはバス事業も運営していたほか、現在は「津鉄観光」というタクシー会社も傘下にあったが、2007年には統合され、五所川原交通に事業を譲渡しました。

歴史

津軽鉄道の歴史は、陸奥鉄道の国有化にさかのぼります。国有化に伴い、陸奥鉄道の株主たちは津軽地方に新たな鉄道路線を設ける計画を立て、1930年に五所川原から中里間の鉄道を開通させました。初期は経営が厳しい時期が続いたものの、1934年には金木自動車合資会社からの路線買収によりバス事業にも参入しました。戦時中は交通業の合同化が進み、バスの運賃収入が収入の4割に達するなど、運営の多角化を図りました。

主な出来事

1927年、創立協議会を開催。
1928年、鉄道敷設免許を取得し会社設立。
1930年、五所川原 - 中里間の鉄道を開業。
1934年、金木自動車合資会社から路線を買収しバス事業を始める。
* 1955年、バス事業を弘南バスに譲渡。

季節限定のイベント列車

津軽鉄道では、季節ごとに多様なイベント列車を運行しています。冬季には「ストーブ列車」が人気で、車内にダルマストーブを設置した特別な車両が走ります。これに乗車するためには特別料金が必要ですが、一般利用者のために通常のディーゼル車両も連結されています。また、夏には「真夏のストーブ列車」が運行され、利用者を楽しませています。

他にも、「芦野公園さくらまつり」や「風鈴列車」、さらには「太宰列車」など、地域の文化に触れられる列車が多数用意されています。これらのイベントは、地域住民や観光客に愛されています。

車両と運行

現在運用中の車両には、津軽21形の気動車があり、太宰治の未作から名付けられた「走れメロス」の愛称で親しまれています。この気動車は新潟鐵工所製で、特に冬季においては、ダルマストーブを装備した客車と組み合わされて運行しています。

また、1950年代に製造されたDD350形という初期のディーゼル機関車も現存しており、地域の交通手段として重要な役割を果たしています。

地域との繋がり

津軽鉄道は単なる鉄道事業者ではなく、地域の生活や文化に密着した存在であり続けています。鉄道を利用した観光や地元特産品の販売を通じて、地域活性化に寄与しています。また、行政や市民が参加する活性化協議会なども設立されており、地域の応援を受けながら、さらなる発展に向けた活動を続けています。

結論

津軽鉄道株式会社は、地域に根ざし、地元住民との協力を通じて歴史を築き上げてきました。これからも津軽地方の交通手段として、地域文化や観光を支え続ける役割を果たし、多くの人々に愛される存在であり続けることでしょう。

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