JR東日本255系電車

255系電車（Boso View Express）

255系電車は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が展開する直流特急形車両で、愛称は「Boso View Express」です。この車両は、内房線や外房線の特急列車「さざなみ」や「わかしお」に使用され、特に房総半島を訪れる観光客の輸送に力を入れた設計がされています。

概要

1980年代後半、183系の古い特急列車が老朽化する中、JR東日本は新たな特急電車の導入を初めて行いました。これにより、1993年から255系が各特急列車に採用されてきました。房総半島の鉄道イメージを向上させる目的と、都市間輸送を兼ね備えた仕様で設計されています。デザインは「GKインダストリアルデザイン」が担い、1993年度にはグッドデザイン賞を受賞しています。

2024年3月16日のダイヤ改正により、房総特急は全車指定席化され、255系の運行は一度終了する予定でしたが、車両不足からしばらくの間運行を続けることが決まりました。しかし、同年6月29日には運行が終了し、現在は波動用の運用のみとなっています。

車両構造

255系の車体は普通鋼製で、651系や253系同様のハの字型断面を有しています。先頭部分は非貫通設計で、一枚窓が大きく配置されています。また塗装は、夏のビーチを思わせる「ベイビーチホワイト」や太平洋の深い青を起用し、乗降口は明るい「サニーイエロー」で装飾されています。側面の行先表示器は初期の字幕式からLED式にアップグレードされ、印象を一新しました。

車内設備

車内は255系専用に設計され、普通車のシートピッチは970mmで、グリーン車は1160mmです。各座席はインアームテーブルを備えており、全座席ともにデザインが考慮されています。窓は固定されており、停電時の換気のために各車両には排気用送風機も搭載されています。

技術仕様

JR東日本の特急形車両で初めてVVVFインバータ制御を導入し、走行システムには209系910番台の設計を改良して使用しています。ブレーキ装置には回生ブレーキが併用され、滑走防止装置も装備されるなど、第1線での安全性を確保しています。

1994年製の増備車では、一部の仕様が改良され、座席や窓の設計が見直されました。これにより、利用者の快適さが大幅に向上しています。

運用歴

255系は、1993年に「ビューさざなみ」と「ビューわかしお」として営業運転を開始しました。2005年には「しおさい」の運行も開始され、長年にわたり房総特急の顔として活躍してきました。しかし、2024年のダイヤ改正で多くの列車が新型に置き換えられてしまい、定期運行が終了しました。臨時列車などでの活用は続けられる予定です。

現在では、255系は幕張車両センターに在籍し、数編成が運行されており、一部の場所ではその美しいデザインと歴史を今も感じることができます。

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