幕張車両センター

幕張車両センターは、東日本旅客鉄道（JR東日本）首都圏本部が管轄する車両基地です。千葉県千葉市花見川区に位置し、総武快速線の上下線に挟まれる形で、津田沼駅と幕張駅に入出区線が接続しています。この車両基地は、450両の車両を収容可能で、建設には用地買収費約26億円、工事費約42億円、総額約68億円が投じられました。

組織体系

幕張車両センターは、本区の他に以下の派出所を抱えています。

本区: 千葉市花見川区の幕張本郷駅北側に位置し、総武快速線の上下線に挟まれています。
木更津派出: 木更津駅構内にあり、久留里線用の気動車が配置されています。臨検や分割・併合作業はJR千葉鉄道サービスに委託されています。
千葉派出: 千葉駅構内にあり、車両故障の応急処置などを行います。
鴨川派出: 安房鴨川駅構内にあり、列車の分割・併合作業や入出区作業を行います。以前は仕業検査も行っていましたが、現在はJR千葉鉄道サービスに委託されています。
一ノ宮派出: 上総一ノ宮駅構内にあり、列車の仕業検査や分割・併合作業を行っていましたが、2024年 3月16日のダイヤ改正で廃止されました。

歴史

幕張車両センターは、以下の歴史を辿っています。

1967年11月: 用地買収を開始。
1969年 2月: 着工。
1972年 7月5日: 総武快速線の運行開始に先立ち、幕張電車区として開設。
1987年 4月1日: 国鉄分割民営化によりJR東日本が継承。佐倉機関区木更津支区が当区の管轄に変更。
2004年 10月16日: 幕張車両センターに改称。久留里線の車両が所属する幕張電車区木更津支区は千葉運転区に移管。
2006年3月13日: 錦糸町派出を廃止。
2007年 3月18日: 千葉運転区と館山運転区が統合して木更津運輸区が発足。千葉運転区木更津支区の検修部門と館山運転区の派出が当センターに移管。
2010年3月13日: 館山派出を廃止し、業務を鴨川派出に統合。
2012年 3月17日: 成田派出を廃止。
2022年 3月12日: 銚子派出を廃止。
2024年 3月16日: 一ノ宮派出を廃止。

配置車両

幕張車両センターに配置されている車両には、以下の略号が記されています。

都マリ: 首都圏本部（都）と幕張（マリ）を意味します。以前は千葉支社を意味する「千」と「マリ」の組み合わせでした。

2023年4月1日現在、以下の車両が配置されています。

電車

209系電車: 房総地区の普通列車用として、2000・2100番台混成の4両編成48本（192両）、2100番台の6両編成14本（84両）、ジョイフルトレイン「B.B.BASE」の2200番台6両編成1本（6両）の計282両が配置されています。
2000番台と2100番台は京浜東北線・根岸線で使用されていた0番台を改造した車両。
2200番台は0番台を南武線に転用して使用されていた2200番台を再改造した車両。
E131系電車: 房総地区の普通列車用として、0番台2両編成12本（24両）が配置されています。
255系電車: 9両編成1本（9両）が配置されています。
E257系電車: 500番台5両編成10本（50両）が配置されています。特急「わかしお」「さざなみ」「しおさい」で運用されます。

貨車

ホキ800形: 16両が配置されています。バラスト輸送・撒布用ホッパ車で、千葉地区や水戸方面で運用されています。

過去の配置車両

過去には以下のような車両が配置されていました。

113系: かつては総武本線、内房線、外房線などで運用されていましたが、209系導入に伴い運用を終了しました。
40系: 開設時、職員輸送用として配置されていましたが、幕張本郷駅開業に伴い廃止されました。
153系: 房総各線の急行列車で使用されていましたが、1982年のダイヤ改正で廃止されました。
クモユニ74形: 非電化区間の電化開業に伴い転入しましたが、老朽化により廃車。
クモユニ143形: 新聞輸送列車に使用されましたが、後に他区所へ転出。
165・169系: ジョイフルトレインや一般車として使用されましたが、1990年代に廃車されました。
E217系: 総武快速線・横須賀線用の車両で、後に鎌倉車両センターへ転出。
211系: 総武本線・成田線で運用されていましたが、長野総合車両センターへ転出しました。
183系・189系: 特急「あずさ」などにも使用されましたが、2013年に引退しました。
485系: ジョイフルトレイン「ニューなのはな」として使用されましたが、2016年に引退。
* チ1000形、チキ5200形、チキ5500形、チキ6000形: レール輸送用長物車で、2021年までに全車が廃車となりました。

幕張車両センターは、その歴史の中で多くの車両が所属し、首都圏の鉄道輸送を支えてきました。今後も、最新の車両とともに、安全で快適な鉄道運行に貢献していくでしょう。

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