JR九州高速船

JR九州高速船株式会社について

JR九州高速船株式会社（ジェイアールきゅうしゅうこうそくせん）は、日本の福岡県福岡市博多区に本社を構える海運会社です。この会社は、高速旅客船「クイーンビートル」を使用して、福岡市の博多港と大韓民国の釜山港を結ぶ定期旅客船航路を運営しています。2005年に、九州旅客鉄道（JR九州）の船舶事業部が分社し、営業を開始しました。現在でもJR九州の100%子会社として、モダンな海の交通手段を提供し続けています。

会社の拠点

JR九州高速船の本社は、博多港国際ターミナル内に位置します。運航拠点としての役割を果たすだけでなく、国内外からの旅行者に対して利便性を提供しています。また、博多港箱崎埠頭地区には、ジェットフォイルの整備場も設けられており、ここでは運航部整備グループによるメンテナンスが行われます。この整備場は、九州郵船の箱崎船舶整備場と隣接しており、効率的なサービス提供を実現しています。

業務提携

JR九州高速船は、2006年に博多 - 釜山航路を運航する同業者である未来高速と業務提携を結びました。共同で運航ダイヤを策定したり、乗船券の共通化を行うなど、両社の協力を強化しました。しかし、この提携は2016年に終了しました。これにより、より柔軟で多様なサービスを提供することが可能になりました。

運航情報

JR九州高速船は、博多港と釜山港を結ぶ航路を運航しています。現在、1日1便の定期運航を行っており、部分的には対馬経由の便も存在しましたが、最近ではこの寄港は休止されています。かつては比田勝港（対馬市）から釜山港への便も運航されていましたが、現在は主に博多 - 釜山間の運航に力を入れています。

乗客には通常席とビジネスクラスが用意されており、船内では飲み物や軽食、さらには免税品や地元の土産物も販売されています。旅行者にとって快適で便利なサービスを心掛けています。

不祥事の概要

JR九州高速船は、近年不祥事に見舞われました。2023年の2月、運航中の「クイーンビートル」において、浸水警報装置が作動し確認したところ、船体にクラックが発生していることが判明しました。運航の継続を図りましたが、法律に基づく臨時検査を怠ったため、国土交通省から法令違反として行政処分を受けました。

その後の調査で、浸水センサーの位置を改ざんし、故意に運航を続けていたことが発覚しました。この問題により、JR九州高速船は社長の交代を含む厳しい対応を強いられました。国土交通省はその後、輸送の安全確保命令や管理者の解任命令を出すなど、厳格な対応を行っています。これにより、会社の信頼性が大きく揺らいでいます。

結論

JR九州高速船は、日本と韓国を結ぶ重要な交通機関であり、観光客やビジネス客にとって便利なサービスを提供しています。今後、信頼性を回復し、より安全な運航に努めることが求められるでしょう。

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