釜山港

釜山港（プサンこう）

釜山港は、大韓民国の釜山広域市に位置する主要な港で、港湾法では第1種港に分類されています。この港湾は韓国国内で最も広大で、年間の貨物取扱量でも最大の実績を誇ります。今日の釜山港は、世界的にも有数のコンテナ貨物のハブとして評価されており、コンテナ処理量では世界第5位の規模を持つに至りました。

歴史的背景

釜山港の歴史は長く、かつては倭館が設置され、対馬藩と李氏朝鮮との間での交易地として機能していました。1877年に日朝修好条規が結ばれ、朝鮮が正式に開国された際には、港としての機能が拡大し、釜山は港湾都市としての発展を遂げました。

1990年代に入ると、釜山港はコンテナ港として顕著な成長を遂げます。この時期、釜山港は高雄港や上海港と競い合う東アジアの主要ハブ港となり、国際貿易の重要な拠点としての役割を担うことになります。釜山港内のコンテナターミナルは、国内外から運ばれるコンテナの移動を円滑に行う役割を果たし、特に日本や中国の地方港と結ぶ重要な中継地点となっています。

港の発展に伴い、従来の施設では増大する貨物量に対応しきれなくなる事態が発生。そこで、1997年から釜山広域市西部の江西区と慶尚南道昌原市鎮海区にまたがる新たな港湾整備が進められ、2006年から徐々に新港が稼働し始めました。これにより、港の機能が分散され、より効率的な運営が行われています。

運航路線

釜山港には、旅客航路を扱うための「国際旅客ターミナル」と「沿岸旅客ターミナル」のふたつの施設があります。国際旅客ターミナルからは、日本各地への定期航路が運航されており、過去には釜山港 - 広島港を結ぶ「銀河」号も存在しましたが、現在は運休中です。

国際旅客ターミナルの主な運航路線

• - 釜山港 - 博多港：クイーンビートル号、ニューかめりあ号
• - 釜山港 - 下関港：はまゆう号、星希号
• - 釜山港 - 大阪港：パンスタードリーム号
• - 釜山港 - 対馬（厳原港、比田勝港）：シーフラワー2号、ドリームフラワー号（現在中断）、オーシャンフラワー号

沿岸旅客ターミナルの主な運航路線

• - 釜山港 - 済州港：コーチアイランド号、東洋エクスプレスフェリー号、トレジャーアイランド号
• - 釜山港 - 熊本港：SUNNY SPRUCE（運航は高麗海運が担当、週2便運航）

釜山港の利用者数は、2018年には143万2455人に上りましたが、2019年には日韓貿易紛争の影響を受け、利用者数が93万7139人に減少しました。

姉妹港

釜山港は、以下の港と姉妹港提携を結んでいます。

• - 大阪港（日本）：1985年
• - 上海港（中華人民共和国）：1994年
• - シアトル港（アメリカ合衆国）：1981年
• - ニューヨーク港（アメリカ合衆国）：1988年
• - ロッテルダム港（オランダ王国）：1985年
• - サウサンプトン港（イギリス）：1978年

釜山港は、国際的な貿易の中心地としての役割を強化し続けており、今後のさらなる発展が期待されています。

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