JT杯星座囲碁選手権戦

JT杯星座囲碁選手権戦は、1995年から1999年まで開催された日本の囲碁棋戦です。日本たばこ産業が主催し、棋士の誕生日を星座別に分けて予選を行い、本戦出場者を決めるという、当時としては非常にユニークな方式で注目を集めました。

大会方式

出場者は、日本棋院所属棋士の星座別トーナメント優勝者12名、前期優勝者、そして棋聖・名人・本因坊・十段・天元・王座の各タイトル保持者6名、関西棋院所属棋士6名で構成されました。残りの枠は、星座別トーナメントの準優勝者から抽選で選ばれた7名（第1期は8名）で、総勢32名が本戦を争いました。もし出場枠に満たない場合は、富士通杯、碁聖のランキング上位者、または賞金ランキング順で選出されるという規定でした。

対局はトーナメント方式で行われ、決勝戦は一局勝負でした。後半からは公開対局として行われ、多くの囲碁ファンがその模様を見守りました。コミは5目半が採用され、持ち時間は予選が各1時間、本戦が各2時間、決勝は残り1分から秒読みというルールでした。

歴代優勝者



各星座優勝者

第1期では、王立誠が早碁棋戦で3度目の優勝を果たしました。第3期は、当時の十段・碁聖であった依田紀基と、天元・王座の二冠保持者であった柳時熏が決勝で激突し、大きな話題となりました。

注目局

特に注目されたのは、第4期の決勝戦、加藤充志と趙治勲の対局です。当時、棋聖・名人・本因坊の三大タイトルを保持していた趙治勲と、趙治勲との初対局となる新鋭・加藤充志の対戦は、大きな注目を集めました。先番の趙治勲が上辺で着実に実利を稼ぎ、優勢に進めていましたが、白番の加藤充志は中央の眼のない大石に狙いを定めます。黒番の趙治勲は、163手目から切断して攻め合いに出ましたが、加藤充志の6、8が好手となり、見事に二眼を確保し、大石を仕留めました。結果、196手までで加藤充志が中押し勝ちをおさめ、見事棋戦初優勝を飾りました。

JT杯星座囲碁選手権戦は、短い期間ではありましたが、ユニークな方式と数々の名局を通して、囲碁界に大きな足跡を残しました。

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