JUPITER (BUCK-TICKの曲)

JUPITER (ジュピター) - BUCK-TICKの代表曲

BUCK-TICKの「JUPITER」は、日本のロックシーンにおいて特に印象的な楽曲のひとつです。1991年10月30日にビクター音楽産業のInvitationレーベルからリリースされたこの曲は、バンドの5枚目のシングルとして広く知られています。作詞は櫻井敦司、作曲は星野英彦が担い、レコーディングはメンバー自身によるセルフ・プロデュースによるものです。この曲は、その深い歌詞と美しいメロディーで、多くのリスナーの心に残っています。

歌詞と音楽性

「JUPITER」は、12弦ギターを用いたバラードであり、特に歌詞には櫻井の母親の死に対する懺悔の気持ちが込められています。櫻井は、個人的な悲しみをテーマにすることに最初はためらいがあったものの、他に表現するべきテーマがなかったと語っています。このような背景から、彼は星野や今井の楽曲を取り入れ、自らの想いを歌詞に込めることに決めました。実際、櫻井は母親が亡くなったことを忘れて電話をかけた経験もあり、その感情が歌の中に色濃く反映されています。

制作過程と経緯

星野英彦は、コーラスを重視したいという想いから「JUPITER」を制作しました。当初はエレクトリック・ギターのデモが作成されたものの、最終的にはアコースティックの12弦ギターを使うことになりました。星野は、当時高熱に苦しんでいた中でも、この曲の制作に励んだと語っており、自らの音楽人生における重要なターニングポイントとなったと感じています。

リリースとプロモーション

「JUPITER」は、1991年10月30日にリリースされ、CDとカセットテープの2形態で販売されました。元々シングルとしてのリリース予定はなかったものの、その完成度が高く評価された結果、メンバーはシングルカットを希望しました。最終的には音楽番組『ミュージックステーション』にも出演し、演奏が披露されました。この楽曲はオリコンチャートでも高評価を得て、最高位8位を記録し、リリースから多くのリスナーに愛され続けています。

影響と評価

「JUPITER」はBUCK-TICKにとって代表的な楽曲の一つとして位置付けられています。音楽業界でも非常に高い評価を受けており、星野のソロアルバム制作につながるきっかけともなりました。また、ファン投票でも常に高評価を得ており、BUCK-TICKの音楽における重要な役割を果たしています。音楽誌やメディアでは「星野はソロアルバムを制作すべきだ」という声も上がるほど、大きな影響力を持っています。

ミュージック・ビデオとメディア露出

この楽曲のミュージック・ビデオは、静岡県浜松市の中田島砂丘にて撮影され、神をテーマにしたビジュアル表現がなされています。櫻井が作品のコンセプトを提案し、コーラスの神聖さを表現するためのキャスティングにも注力しました。また、櫻井が一人でCMに出演するなど、個々のメンバーの露出も重要なプロモーションの一環として行われました。

「JUPITER」は、BUCK-TICKの音楽的スタイルを象徴する重要な楽曲であり、そのメロディーや歌詞には深い悲しみと誠実さが込められています。多くのファンに愛されるこの曲は、今後もロックの歴史に名を刻み続けるでしょう。

もう一度検索