JX通信社

株式会社JX通信社の概要

株式会社JX通信社（ジェイエックスつうしんしゃ）は、日本に拠点を持つ通信社で、特に「記者ゼロ人の通信社」として知られています。自社に記者を持たず、主にインターネットから得られる情報をもとにニュースを提供するユニークなスタイルを採っています。この会社は、ニュースキュレーションサービス「NewsDigest」、TwitterなどのSNSから事件や事故の情報を自動で収集する「FASTALERT」、さらに世論調査サービスを展開し、革新的な情報提供を実現しています。

代表取締役は米重克洋氏で、2018年8月には従業員が24人おり、その内訳はエンジニア16人、営業や人事、広報に関わる8人という構成です。記者は存在せず、支局も持っていません。名前に「JX」という文字がありますが、ENEOSグループや他のメディアとは無関係です。

沿革

米重氏は中学時代に「航空会社をやりたい」という夢を持ち、航空業界のニュースを集めるサイトを運営しました。しかし、運営の難しさから報道のコスト構造に疑問を抱き、2008年にJX通信社を設立しました。当初はメディア間でニュースを共有することでコスト削減を目指しましたが、方向性を変えテクノロジーを駆使した編集コスト削減へと進化しました。

JX通信社は最初のアプリ「Vingow」を開発し、ニュースを自動で収集する技術を取り入れましたが、需要の少なさからこの市場はニッチであることが課題となりました。さらに、広告収入に依存しない運営を目的とし、広告は導入しませんでした。

2015年には共同通信デジタルから出資を受け、SNS情報の機械化を進行。これが「FASTALERT」の開発へとつながり、AIの活用がもたらす報道精度の向上に寄与しました。

主なサービス

Vingow

「Vingow」は、特定のキーワードを登録することで関連するニュースを自動収集するアプリで、2011年より提供していましたが、現在はサービスを終了しています。このアプリはAIと自然言語処理を利用しており、ユーザーが望む情報を効率よく収集することが可能でした。

FASTALERT

「FASTALERT」は、SNSで流れる高確度のニュース関連投稿を報道機関に提供するサービスで、2016年9月にサービスを開始しました。この仕組みは、主にTwitterから情報を取得し、96%の導入率を誇る国内テレビ局に利用されています。

NewsDigest

「NewsDigest」は、一般向けにイベントや災害情報を迅速に配信するニュース速報専用サービスで、2018年には100万ダウンロードを達成しました。このサービスにより、広く普及した情報提供が実現しています。

世論調査の機械化

2015年から始めた情勢調査の機械化は、従来の調査よりも大幅にコストを削減することができ、効果的な回答を得ています。特に東京都議会議員選挙では先見性を発揮し、的中予測を行いましたが、沖縄県知事選挙では改善の余地が残る結果となりました。

JX通信社は今後も革新的な情報提供の形を追求し続け、独自のネットワークを駆使して報道界に変革をもたらすことが期待されています。

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