Joint Strike Missile

Joint Strike Missile（JSM）

Joint Strike Missile（JSM）は、ノルウェーのコングスベルグ・ディフェンス＆エアロスペースがF-35に向けて開発している対艦・対地巡航ミサイルです。このミサイルは、マルチタスクに対応できる柔軟な兵器として設計されており、ノルウェー製のNSM（Naval Strike Missile）を基にしています。JSMの試験飛行は2015年から始まり、当初はF-16に搭載されて行われました。ミサイルの初期作戦能力（IOC）は、2021年にF-35ブロック4がリリースされる際に期待されており、完全運用が可能となるのは2025年以降になる見込みです。

開発の経緯

JSMの開発は2007年に始まり、ロッキード・マーティンとコングスベルグが共同で空中発射バージョンの市場売買協定を結びました。この計画には、ノルウェーとオーストラリアが資金を供給する形で支援しています。2009年には、初期の開発契約が締結され、計画は着実に進みました。

その後、2010年4月にはグリーン・ヒルズ・ソフトウェア社のIntegrityリアルタイムオペレーティングシステムが採用され、JSMの技術的な基盤が整っていきました。さらに、2014年にはオスロの防衛物流機関がコングスベルグと契約を結び、JSMの完成に向けた作業が進められました。

2015年にはオーストラリアがJSM開発に協力することを発表し、さらに資金提供も行いました。この中で、オーストラリアは独自の無線周波数シーカーの開発にも資金を提供し、F-35へのインテグレーションに貢献しました。

主な特徴

JSMは、NSMとは異なるいくつかの重要な設計変更が施されています。F-35の兵器倉に適合するように胴体が再設計され、主翼は展張式に変更されています。また、ターボジェットエンジンも換装されており、エアインテークも改良されています。

さらに、JSMは海上および陸上目標に対する攻撃能力を有しており、射程も280kmを超える性能を持っています。JSMにはマルチコアコンピュータが搭載され、アメリカのグリーン・ヒルズ・ソフトウェアによるリアルタイムオペレーティングシステムが実装されています。配置された場合には、地上の中央制御室や他の飛行中のミサイルとの通信が可能になるオプションも考慮されています。

派生型

JSMにはいくつかの派生型が存在します。例えば、2014年に発表されたVL-JSMは、アメリカ海軍の攻撃的対艦兵器プログラムに適応したバージョンです。このMK 41VLSからの発射に対応しているため、他の軍事プログラムとも競合する可能性があります。

また、潜水艦発射型の研究も行われており、ノルウェーの潜水艦に搭載可能となるような改良も進められています。これには、ミサイルのスリム化やターボジェットエンジンの換装、射程の拡大に向けた燃料タンクの拡大などが含まれます。

搭載可能な航空機

JSMはF-35A及びF-35Cにおいて、胴体内兵器倉に2発を搭載できるほか、機外ハードポイントへの取り付けも可能です。また、F-35以外の航空機への取り付けも設計されており、F/A-18やF-15との適合も確認されています。さらに、コングスベルグはユーロファイター タイフーンへのJSM導入計画も発表しており、各国の軍事ニーズに合わせた柔軟な対応を目指しています。

運用国

ノルウェーの他に、オーストラリアもJSMの運用国になる見込みです。日本も2018年度の予算に関連経費を計上し、自衛力の強化を図るためにJSMの導入を決定しました。他にも、韓国などのF-35運用国も含まれ、国際的な展開が期待されています。JSMは、現代の多様化する戦闘環境において重要な役割を果たすことが予想される先進的なミサイルシステムです。

参考文献

• - Official JSM product page at KDA

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