JuK

JuK（ジューク）は、KDEデスクトップ環境で利用できる自由ソフトウェアのオーディオプレーヤーです。kdemultimediaパッケージの一部として提供され、MP3、Ogg Vorbis、FLACといった主要なオーディオファイル形式をサポートしています。

歴史

JuKの開発は2000年にScott Wheeler氏によって開始され、当初はQTaggerという名称でした。2002年にKDEのCVSリポジトリに統合されてから、成熟したオーディオアプリケーションとして発展を遂げ、KDE 3.2で正式にKDEプロジェクトの一部となりました。JuKは、その開発初期から、単なるメディアプレーヤー以上の機能を目指して開発されてきました。

特徴

JuKは、単なるメディアプレーヤーとしてだけでなく、オーディオジュークボックスアプリケーションとしての側面を強く持っています。その特徴は以下の通りです。

コレクションリストと複数のユーザー定義プレイリスト：ユーザーは独自のプレイリストを複数作成し、音楽コレクションを整理できます。
自動プレイリストインポート：起動時にディレクトリをスキャンし、既存のプレイリスト（.m3uファイル）と音楽ファイルを自動的にインポートします。これにより、ユーザーは手動でファイルを追加する手間を省けます。
動的検索プレイリスト：コレクション内のフィールドが変更された際に、自動的に更新される動的な検索プレイリストを生成できます。これにより、常に最新の音楽ライブラリを反映したプレイリストが利用できます。
ツリービューモード：アルバム、アーティスト、ジャンルなどのグループから自動的にプレイリストを作成するツリービューモードを搭載しています。これにより、特定のアーティストやジャンルの音楽を簡単に抽出できます。
プレイリスト履歴：どのファイルがいつ再生されたかの履歴を記録し、過去に再生した曲を簡単に再聴できます。プレイリストの履歴から、過去に聴いた曲を再度聴き直したい場合に便利です。
インライン検索：表示されている項目のリストをフィルターするためのインライン検索機能があり、大量の音楽ファイルから目的の曲を素早く見つけられます。
タグ情報推測：ファイル名やMusicBrainzオンライン検索を利用して、音楽ファイルのタグ情報を推測する機能があります。これにより、タグが不足している音楽ファイルでも、自動的にタグを補完できます。
タグに基づくファイル改名：タグの内容に基づいてファイル名を自動的に変更できます。これにより、ファイル名とタグ情報が一致するように整理できます。
オーディオバックエンド：aRtsとオプションのGStreamerオーディオバックエンドをサポートしています。さまざまな環境で安定した再生が可能です。
タグの読み込みと編集：TagLibを通じて、ID3v1、ID3v2、Ogg Vorbisタグの読み込みと編集をサポートします。これにより、音楽ファイルのタグ情報を自由に編集し、コレクションを整理できます。

関連項目

オープンソースのメディアプレーヤー一覧

外部リンク

最初の開発者 Scott Wheeler とのインタビュー
JuK 公式サイト
JuK ハンドブック

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