Kレーション

Kレーションとは

Kレーション（K-ration）は、アメリカ軍が第二次世界大戦中に製造し、配給していた戦闘糧食の一種です。主に空挺部隊や戦車部隊、オートバイ部隊などの迅速な移動が求められる部隊のために開発されました。これは、短期間に必要な栄養を補うための非常携帯食として設計されています。

開発の背景

Kレーションの発案時には、前年の1941年から試作品が空挺部隊に供給され、特にその軽量性と多様なメニューが高く評価されました。パナマで行われた実地試験では、体重を保持しつつ、兵士たちが一日平均18キロメートルの行軍を行いました。試験の結果が良好だったため、1942年に正式に採用されました。この際、前から存在していた山岳用レーション（M-Ration）やジャングル用レーション（J-Ration）は廃止され、Kレーションに一本化されました。

輸送と使用法

Kレーションは、木製またはボール紙のコンテナに収納され、各コンテナには12日分のレーションが含まれています。本来は短期使用を想定したものでしたが、これがアメリカ陸軍により一般戦闘糧食として広く支給されるようになります。しかし、連続的な食事からくるビタミン不足や、過酷な環境下でのカロリー不足が問題視され、結果的に兵士の体重減少や栄養不足に繋がってしまいました。

特にビルマの戦いでは、Kレーションが他国の軍隊にも供給され、同様の栄養問題が発生しました。Kレーションの連続使用は、脚気やペラグラの発症を引き起こし、兵士たちの抵抗力を低下させる要因となりました。このため、最終的にはCレーションが一般的な戦闘糧食として取って代わることになります。

Kレーションの内容

Kレーションは、1日3食分が一つのパッケージにまとめられ、各食事のカロリーは2830キロカロリーから3000キロカロリーに設定されています。朝食、昼食、夕食の各ユニットは、蝋紙の箱に分けられ、それぞれ異なるデザインが施されています。缶詰は特別な鍵を使用して開封でき、通常の缶切りは不要です。

各ユニットの構成

• - 朝食ユニット: 主にハムエッグや仔牛のミートローフなどの缶詰、ビスケット、ドライフルーツやシリアルバー、浄水剤、タバコ、チューインガム、インスタントコーヒー、砂糖が含まれます。

• - 昼食ユニット: 鶏パテや豚肉の缶詰、ビスケット、Dレーションチョコレートバー、トイレットペーパー、タバコ、チューインガム、ブイヨンが含まれています。

• - 夕食ユニット: プロセスチーズ、ハム、粉ミルク、砂糖、塩、タバコ、マッチ、チューインガム、粉末ジュースなどがセットになっています。

まとめ

Kレーションは、その軽量性と携帯性から多くの兵士に利用されましたが、持続的な栄養不足や食事の単調さから様々な健康問題を引き起こす原因となりました。最終的にはCレーションに取って代わられるものの、Kレーションの歴史は第二次世界大戦における食糧戦略において重要な役割を果たしました。

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