K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!

K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!! 大会詳細

2003年12月31日、名古屋ドームで開催された「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」は、大晦日の格闘技イベントとして、K-1、PRIDE、そしてアントニオ猪木がプロデュースするINOKI BOM-BA-YEという3つの異なるイベントが同日に開催されるという異例の状況下で行われました。

大会開催の背景

この大会が開催される背景には、2002年末にK-1を主催していた石井和義館長の脱税事件が大きく影響しています。石井館長の逮捕により、格闘技界の勢力図は大きく変動し、K-1とPRIDEを運営するDSEとの間に対立が生じました。さらに、当時の格闘技ブームも相まって、テレビ局も巻き込んだ大晦日の格闘技イベントは、3つに分裂するという事態になりました。

かつては協力関係にあったK-1とDSEは袂を分かち、DSEはフジテレビで「PRIDE男祭り」を放送、猪木は日本テレビで「INOKI BOM-BA-YE」を放送することになりました。そして、TBSはK-1とタッグを組み、「K-1 PREMIUM Dynamite!!」を放送することになりました。

この大会で最も注目を集めたのは、元横綱の曙太郎の格闘家転向と、当時絶大な人気を誇っていたボブ・サップとの対戦です。曙の格闘家転向は大きな話題となり、大晦日の格闘技戦争をさらに盛り上げることとなりました。

大晦日の視聴率戦争

テレビ放送の結果、TBSの「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」は平均視聴率19.5%を獲得し、フジテレビの「PRIDE SPECIAL 男祭り 2003」の12.2%、日本テレビの「INOKI BOM-BA-YE 2003」の5.1%を大きく上回り、民放1位の高視聴率を記録しました。特に、ボブ・サップ対曙戦の試合が行われた時間帯の瞬間最高視聴率は43.0%に達し、同時間帯に放送されていたNHKの「第54回NHK紅白歌合戦」の視聴率を超えるという快挙を成し遂げました。

試合結果

以下に、本大会の主な試合結果を記載します。

オープニングファイト K-1 MMAルール
クリストフ・ミドゥ vs. トム・ハワード：ミドゥが1R チョークスリーパーで勝利
第1試合 K-1 MMAルール
須藤元気 vs. バタービーン：須藤が2R ヒールホールドで勝利
第2試合 K-1 MMAルール
成瀬昌由 vs. ヤン・ノルキヤ：成瀬が1R チョークスリーパーで勝利
第3試合 K-1 MMAルール
ザ・プレデター vs. マウリシオ・ダ・シルバ：プレデターが1R TKOで勝利
第4試合 K-1ルール
藤本祐介 vs. フランソワ・ボタ：藤本が判定3-0で勝利
第5試合 K-1ルール
フランシスコ・フィリォ vs. TOA：フィリォが判定2-1で勝利
第6試合 K-1ルール
アーネスト・ホースト vs. モンターニャ・シウバ：ホーストが判定3-0で勝利
第7試合 K-1 MMAルール
中尾芳広 vs. ダビド・ハハレイシビリ：中尾が2R ギブアップで勝利
第8試合 K-1 MMAルール
アレクセイ・イグナショフ vs. 中邑真輔: ノーコンテスト
当初はイグナショフの勝利と発表されたが、中邑側の抗議によりノーコンテストに変更
第9試合 K-1ルール
* ボブ・サップ vs. 曙：サップが1R KOで勝利

総括

「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」は、K-1、PRIDE、猪木軍という異なる団体が入り乱れる状況下で開催されましたが、ボブ・サップ対曙という話題性のあるカードや、視聴率43%という驚異的な数字を記録するなど、大晦日の格闘技イベントとして大きな成功を収めました。この大会は、当時の格闘技ブームを象徴する出来事の一つとして、今もなお語り継がれています。

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