K1 (機関短銃)

K1機関短銃：韓国軍の主力サブマシンガン

韓国国防科学研究所(ADD)が開発し、大宇精工が製造したK1機関短銃は、1981年に韓国軍に制式採用されました。これは、老朽化したM3サブマシンガンの後継として、1976年に特殊戦司令部からの要請を受けて開発が開始されたものです。 開発目標は、軽量でコストパフォーマンスに優れ、国産化による国防力の強化、そして拳銃弾よりも強力な小銃弾を使用することでした。

開発の経緯と特徴

M16をベースに設計されたK1は、リコイルスプリングの位置を変更し、小型化を実現しました。伸縮式銃床を採用することで携帯性を高めています。しかし、初期型のフラッシュサプレッサーには問題があり、反動の大きさや発射音、発射光が過大であることが指摘されました。

K1Aの改良

これらの問題点を解決するため、K1Aが開発されました。新型フラッシュサプレッサーの採用により、発射光は3分の1に削減され、マズルジャンプも抑制されました。さらに、効果的な射撃を可能にする三点バースト機構も追加されました。既に配備されていたK1もK1Aの仕様に改造されました。現代のK1Aは、レシーバー上部にピカティニーレールが備え付けられ、様々な照準器やアクセサリーの装着が可能となっています。

K2小銃との違い

K1はK2小銃の短縮版と誤解されることもありますが、両者には明確な違いがあります。K1はM16シリーズと同じダイレクト・インピジメント方式を採用していますが、K2はAK-47のようなロングストロークピストン方式を採用しています。ライフリングのピッチも異なり、K1はM193弾薬(5.56x45mm NATO弾)用に設計されているのに対し、K2はSS109弾薬(5.56x45mm NATO弾)用に設計されています。

輸出と採用国

K1はMAX-1、MAX-2という輸出モデルも存在し、韓国以外にもインドネシア、セネガル、レバノンなどで採用されています。.223レミントン弾を使用するモデルも存在します。

メディアへの登場

K1およびK1Aは、映画やゲームにも登場しています。映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』では、主人公がゾンビや敵対勢力との戦闘で使用し、また映画『ロボコップ2』ではデトロイト市警察が使用しています。ゲーム『レインボーシックス シージ』では、韓国人隊員がK1Aを使用します。

K1の課題

K1の伸縮式銃床はM3サブマシンガンと似たワイヤー状の断面をしています。小銃弾を使用することから、銃床を伸ばした状態で連射すると、ワイヤーが上下にたわみ、銃の安定性を損なうという指摘があります。

まとめ

K1機関短銃は、韓国軍の装備近代化の一環として開発され、長年にわたって使用されてきました。初期型の問題点を克服したK1Aは、現在も韓国軍で運用され、その信頼性と汎用性から、海外でも採用されています。K2小銃とは異なる設計思想と特徴を持つK1は、韓国の兵器開発史において重要な位置を占める小銃と言えるでしょう。 様々なメディアへの登場も、その知名度を物語っています。

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