K2 (ライフル)

K2アサルトライフル：韓国軍を支える主力火器

韓国軍がM16A1の後継として採用したアサルトライフル、K2。その開発から派生型、世界各国での採用、そしてメディアへの登場まで、K2について詳しく解説します。

開発の経緯

大宇精工によるM16A1のライセンス生産で培われた技術を基に、国防科学研究所(ADD)主導でK2の開発計画がスタートしました。1972年、朴正煕大統領の指示を受け、XB-1からXB-6までの試作銃を経て、1977年にXB-6を改良したK2が制式採用されました。大宇精工が生産を担当し、M16の生産ラインを一部流用することで、ライセンス料不要の低コスト化を実現しています。1985年から生産が開始され、1990年代には韓国軍の大部分の部隊に配備が完了しました。

K2の特徴

K2は、M16A1のデザインを踏襲しつつ、軽量化と携帯性を重視した設計が特徴です。アルミニウム合金とプラスチックを多用し、折り畳み式ストックを採用することで、携行性を高めています。

基本構造と性能:

使用弾薬：5.56mm NATO弾（韓国軍制式名称：K100）
銃口初速：M193弾薬使用時960m/sec、K100弾薬使用時920m/sec
有効射程：M193弾薬使用時460m、K100弾薬使用時600m
射撃モード：セーフティ、単発、3点バースト、フルオート
銃剣装着：M7銃剣に対応
グレネードランチャー装着：K201 40mmグレネードランチャー装着可能
* 夜間照準装置：フロントサイトガード上部に蓄光管、リアサイトに夜間照準用サイトを搭載

作動方式:

K2は、ロングストロークピストン式ガスオペレーションを採用しています。これは、M16A1のダイレクトインピジメント式に比べて、信頼性と整備性の向上に繋がっています。ボルトキャリアーに直接取り付けられたコッキングハンドルも特徴の一つです。

使用弾薬と派生型

K2は5.56mm NATO弾を使用し、STANAGマガジンに対応しています。また、空薬莢の回収を容易にする薬莢受けも備えています。

民間向けには、半自動射撃のみの「MAX-2」「AR-100」「DR-200」、7.62x39mm弾を使用する「DR-300」など、複数の派生型が存在します。軍用としては、M4カービンを参考に設計された短縮型カービン「K2C」と、それを改良した「K2C1」が開発されています。K2C1は伸縮式ストックを銃右側へ折り畳み可能にし、ピカティニーレールを装備しています。

採用国とメディアへの登場

K2は、韓国軍のほか、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、イラク、マラウイ、ナイジェリア、ペルー、セネガルなど、世界各国で採用されています。また、朝鮮民主主義人民共和国でも一部精鋭部隊で使用されていると推測されています。

映画やドラマ、ゲームなど、数多くのメディア作品にも登場しており、韓国を舞台にした作品では、韓国軍の装備として頻繁に見ることができます。代表的な作品として、『FLU 運命の36時間』『愛の不時着』『今、私たちの学校は…』『新感染』シリーズ、『ソウル・ステーション/パンデミック|ソウル・ステーション_パンデミック』などが挙げられます。

まとめ

K2アサルトライフルは、韓国の防衛産業技術の高さを示す象徴的な存在です。その信頼性と汎用性から、韓国軍だけでなく、世界各国の軍隊や特殊部隊で広く使用されており、これからもその活躍が期待される武器です。

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