KCモーターグループ

KCMG（KCモーターグループ）について

KCMG（KC Motorgroup Ltd.）は香港を本拠とする自動車関連企業で、モータースポーツ活動や部品の製造を行っています。2007年に設立され、アジア太平洋地域で新たなレーシングプロジェクトを支援することを目指しています。チーム名の「KCMG」は、代表のポール・イップの香港名に由来しており、チームの発展を象徴するものとなっています。

設立からの道のり

設立以来、KCMGは全日本F3選手権やアジアF3選手権から参戦を開始し、その後は日本のスーパーフォーミュラやFIA世界耐久選手権（WEC）など、より高いレベルのレースへとステップアップしてきました。活動の幅が広がる中、KCMGはアジアを拠点にした世界的なモータースポーツコンペティションへの参加を増やし、多くの注目を集めています。

KCMGの傘下には、カーボンコンポジット製品を取り扱うKCMGコンポジットインターナショナル（KCMG-CIL）が存在し、ダブリンに本社を構えています。この会社は2017年から台湾での生産を開始し、2020年には従業員5,000人以上を擁する、世界最大クラスのカーボンコンポジット工場の稼働が予定されています。

レース活動の歴史

全日本F3選手権

KCMGは2008年から全日本F3選手権Nクラスに参戦し、最初は日本のdtmに運営を委託。2009年にはメインスポンサーにアチーブメント株式会社を迎え、2台体制での参戦を実現しました。その後も規模を拡大し、2015年にはCクラスに1台で参加しましたが、2016年にいったんこのシリーズから撤退しました。

スーパーフォーミュラ

2010年には、スーパーフォーミュラに参戦を果たし、平中克幸やリチャード・ブラッドリーなど多くのドライバーと契約を結びました。特に2017年には小林可夢偉がドライバーとして参加し、もてぎで2位に入るなど、チームとしても注目される存在となりました。2018年以降は、パイオニア販売と結びつき「carrozzeria Team KCMG」として活動しています。

世界耐久選手権（WEC）

2013年、KCMGはWECのLMP2クラスに参戦し、シルバーストーンでの開幕戦に参加。その後、ル・マン24時間レースに初挑戦し、中国系のチームとして注目を集めました。競技車両にはオレカ・03を使用し、2014年には初めての表彰台を獲得。また、2015年には新型のオレカ・05でル・マン24時間レースで優勝を遂げ、さらなる飛躍を遂げました。

GTレーシングとTCRシリーズ

GT部門では2016年からアウディ・R8 LMSカップに参戦し、耐久レースにはポルシェ・911 GT3 Rで挑戦しています。また、TCRヨーロッパ・シリーズでも成功を収め、2018年にチーム選手権を制覇しました。その後、WTCRにも参戦し、地元のドライバーを起用するなどして活躍を続けています。

FIA-F4開発

さらに、KCMGはFIAによるモータースポーツイベントのために、独自のF4マシン「KC.MG-01」を開発しました。このマシンは、カーボンモノコックやハイブリッドシステムを搭載し、次世代のレースカーとして期待されています。

KCMGは今後も、自らの技術力と戦略を武器に、世界のモータースポーツシーンでのさらなる活躍を目指しています。

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