オレカ・05

オレカ・05の概要

オレカ・05は、フランスのレーシングチーム、オレカによって2015年に開発されたプロトタイプレーシングカーです。前のモデルであるオレカ・03と同様に、LMP2（P2）カーとして設計されています。これにより、オレカは全世界の耐久レースで競争力を持つ車両を提供しています。

開発の背景

オレカ・05はデザインにおいて、前モデルのオープン・ボディからクローズド・ボディへと変更されています。これにより空力性能が向上し、より高い速度を実現しました。車幅は1,900mmに設定されており、これは2017年から施行されたル・マン・プロトタイプの規定に基づくものです。この幅の変更は、開発段階から考慮されていました。

また、オレカは、2014年に開発したLMP1カーであるレベリオン・R-Oneとモノコック部分を共有しています。さらに、LMP2カーには義務付けられていないザイロンパネルが側面に装備されています。これらのパネルは、衝突時の安全性を高めるためのもので、LMP1規則に従ったものです。ただし、開発資金の制約から、LMP2の製造に使用されている材料は、レベリオン・R-Oneで使われているチタンからアルミニウムまたはスチールに置き換えられています。

技術面でも進化が見られ、ステアリングアシストが従来の油圧式から電動式（EPS:KYB製）に変更され、ギアボックスも改善されているのが特徴です。

レース成績

オレカ・05は、2015シーズンのFIA 世界耐久選手権（WEC）のLMP2クラスで、香港を拠点とするKCMGチームやティリエ・バイ・TDSレーシングに供給されました。さらに、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズにも参戦し、競争の舞台を広げました。

特に、ル・マン24時間レースでは、KCMGチームが手掛けた47号車がLMP2クラスのポールポジションを獲得。その後、レースを通じて首位を譲ることなく、LMP2クラスで見事優勝を果たしました。このレースでは、上位カテゴリーであるLMP1の日産・GT-R LM NISMOのタイムを上回ることもありました。決勝でも、スピンやコースオフがあったにもかかわらず、圧倒的なスピードで競争相手を引き離す走りを見せました。

2016年には多くのチームがオレカ・05を使用し、ル・マン24時間レースでシグナテックアルピーヌの36号車がLMP2クラスにおいて見事優勝しました。これに続き、G-Driveレーシングが2位に入り、オレカ・05がワンツーフィニッシュを達成しました。また、第7戦富士では、G-Driveレーシングのオレカ・05がリジェ・JS P2との接戦を制し、1.3秒差で勝利しました。

まとめ

オレカ・05は、その設計の革新と技術的な進化によって、多くのレースで成功を収めています。この車両は、レーシングカーとしての性能と安全性を兼ね備えた、近代的なプロトタイプレーシングカーの一例と言えるでしょう。

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